ジ・エンド
温泉開業初日。
朝から皆バタバタと働いている。もうすぐお客様が来る。
「「「いらっしゃいませ~。」」」
来たようだ。
馬車がつらなり、次々に人が降りてくる。今日来ていただくのは九十六名。メイデン組全員でお出迎えをする。
割り振ってある部屋に案内し、部屋の鍵を渡す。
昼食の準備もできているので、そのことを伝え、昼食を食べながら、今日のお客様の予定を説明する。
今日は、人数が多いので、お客様毎にグループを作り、時間をずらせて、全員が全ての施設を楽しめるようにしている。
全て無料にしているので、皆おとなしく従ってくれる。
夜は全員でお披露目パーティの予定だ。
温泉も賭博場も卓球場も、大入り満員だ。
お客様の笑顔が嬉しい。
大声で騒いでるロードも笑っている。
お世話になった職人たちも、俺を見ると寄ってきて次々に礼を述べる。
パーティが始まった。
机の上には所狭しと全ての料理が並べられ、バイキング形式で好きなものを取って食べてもらう。
いままで味わったことのない料理に、皆舌鼓を打ち、あちこちから感嘆の声が聞こえる。
招待したお客様の何人かから、感謝とともにお祝いの品をいただいた。
パーティは夜通し盛り上がり、口々にお礼を言われ、お客様たちは自分の部屋へと引き上げていった。
◆
オリビアと二人、三階奥の愛の巣。
「お客様から、いっぱいお祝いもらったよ。」
「何、何?見せて、見せて。」
「焦らなくても逃げないよ。開けていこうか。」
そう言って、ひとつずつ包みを解いていく。
フレディさんから頂いたのは、流麗な彫刻の入った女性用の木の櫛だった。
オリビアが早速手に取り、喜んでいる。
メイさんからは、羽根飾りのついた白い帽子。
これもオリビアに似合いそうだ。
ロジャーさんからのお祝いは少し大きな箱で、開けてみるとドーゴ温泉のミニチュア模型が入っていた。
どこかに飾ろう。
ディーコンさんからは、彫金された銀の中に、小さな青い宝石がいくつもちりばめられた輝くブローチ。
オリビアの目も輝いている。
ハリソンさんのお祝いは四角い封書がひとつ、あけて中を見ると、馬車一台と書かれていた。
そういえば馬車を借りたお礼、言ってなかったな。
レノンさんとヨーコさんからは、サイジからマチャマにかけての町や村、その特産品が書かれた地図。
これから何かと役に立ちそうだ。
なぜかブラックモアからも届いていた。
小さな袋を開けると、真ん中が白銀で周りを金が取り囲む、お金のようなものが一枚入っていた。
初めて見たが、あとで聞いたところ、首都マチャマで出回っている白金貨とのことで、金貨百枚分の価値があるらしい。
最後に大きく平べったい木箱が残っていた。
贈り主が書いてないので、誰か分からなかったが、開けてみることにした。
蓋を開けると、白い布があり、小さな羊皮紙が上に載っている。
羊皮紙には、ギランと書かれていた。
白い布で包まれていたものは、キラキラと輝く白い糸で織られた『バニーの服』だった。
あの野郎…………
サラリーマンを辞めたロックおじさんが、ラノベにはまり、初めて書いた小説です。
生粋のオタクではないので、用語も分からず、思いつくままに書いてしまいました。
ちなみに息子は二次元オタクです。
読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
感想、ご意見、ご要望など、何でも聞かせていただければ励みになります。
よろしくお願いいたします。
次回作は構想中ですので、しばらくお待ちください。
2017年7月 M・K・SHOW