情報
翌朝、商人教えてもらった情報をもとに神聖に向かうことにした。と言うのも、この世界の住人は物書きができるものが少なく、外のモンスターに対抗する術もない者たちが大半を占めるため、一生をその土地で過ごすため、この世界の情報収集をするにも有益な情報を得るにはかなりの時間を強いられるためだ。
そのため、神殿関係者、冒険者、商人、情報屋といった限られた者たちからしか有益な情報は期待できない。しかし神殿関係者いがいは法外な金銭などを要求されるとともに、それが本当に有益な情報とは限らない、それだけこの世界では情報は貴重と言うことらしい。
しかし神殿内にある教会図書館は、無償で開示しているため、情報を集めるにはもってこいの場所である。もっとも、殆どの者たちは字を読めないため、貴族や王族、力のある冒険者や商人と言った限られた者しか行かない場所でもあるのだが…。
神殿に向かう途中で本屋を見かけたため寄ってみたが、名札を見るまで、入り口にいた傭兵が槍を持ってこちらを警戒していた。なぜならば、本の値段があり得ないほど高いためだ。本の値段は最低でも金貨数十枚はくだらない。この国の市民の年収に匹敵する物を年端も行かない小娘が眺めていたためだ。
神殿に着いてまず、手持ちの金貨と財布を預ける事にした、神殿では金銭、貴重品、穀物、家畜などを預ける事ができる。金銭の量が多いため持ち運ぶにも不便で危険があるためだ。
「初めて利用するのですが、この金貨とこれ(財布)を預かって貰えますな?」
「かしこまりました、預かると言うより契約になりますね。ご利用は初めと言うことですので、ご利用の仕方を説明させて頂きます。まず此方のノートに名前をご記入をして頂き、その名札の裏面にも同様にお名前のご記入をお願いします。後は預たい物を名札でかざしていただくだけで契約が完了いたします」
有栖大河と名前を記載し、
名札をかざすと金貨と財布が光を放ち消えた。
「これで契約が完了しました。貴方様の名札を他の方の名札とかざすだけで、金銭や貴重品の取引が可能になります。もちろん他者が貴方様の名札でかざしても使用できないのでご安心ください」
「あの〜、名札て他の人も持っているのですか?」
「はい、そうですよ本来ならそれも此方で用意するのですが、貴方様方は神から直接さずかったようですね羨ましい、しかも特別仕様」
どうやらこの世界では他の人も名札を持っていて、ギルドカードとも言うらしい。色々な用途でも使うらしいが、つけている人がだれも居なかったため今まで気づかなかった死にたい。
契約を終え、さっそく図書館に行くことにした。図書館間に入るにも名札をノートにかざし入場確認をされた。しかも本は鎖で繋がれており簡単には盗まれないようにしてある。非常に高価な本が数あるのは貴族などの裕福な者からの寄付で成り立っているかららしいが自分達の力の誇示のためだろう。彼方此方に贈呈主の名前が本棚に刻まれている。
それはそうと、まずは魔王について調べることにした。
本を探すのにも受付の横にあるノートに名札をかざすだけでノートに場所と本のタイトルが浮かび上がってきた。本当に便利だなと感心しっぱなしだ。
なになに、215 マリス贈呈 教えて人物生物人名図鑑
へんなタイトルだがすぐに本は見つかった。
ペラペラと本をめくり魔王についてさがしたえっと魔王、魔王…あった。
『魔王、魔国の王として君臨しているが非常に弱い、魔国にいった冒険者に遠足気分で討伐さたり、戦争に巻き込まれてよく死亡している。
現在の魔王は第861代目だと言われているが詳しいことはよくわかっていない。
主に魔王の王族がなっているらしが誰もなりたがらない確固たる地位を築いている。
初代魔王は非常に強力で全世界を支配していたと、まことしやかな都市伝説があるが嘘であろう』
本当に弱いんだな、何のために呼ばれたんだろう、嫌がらせかな?
吸血鬼についても調べてみることにした。
『吸血鬼、既に絶滅したとも言われる伝説的な種族にして人族の突然変異と言われているがよくわかっていない。彼等が最後に確認されたのは今から400年前、ウラドと言う人物がそうであったと言われている。
人族であるにもかかわらず、非常に強力な魔力と生命力を持っており、魅惑の魔眼と言われると眼で見るものを魅了することができたと言われているが、多くを語らなかった彼等には謎が多い』
ちなみに、三英雄に及びにその組織については秘匿にされていて分からなかった。魔眼についてもしらべたが邪視眼、石化の魔眼、魅惑の魔眼世界の文字や言葉が分かるのもこの眼のおかげだったのかもしれない。
ラクリマ国までの行き方などを調べていると伝説の村がその道中のどこかにあると言う噂が書いてあった。行った者は誰一人として行き方やその場所については語りたがらない、残されている文献でただ一つ、この世のものとは思えない途轍もないものがみれる。