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逆転ハズレくじ

作者: 高橋亮

キーワードは赦し

生きる資格とか、

権利なんてものは、

最初からなかったのかもしれない。



気づいた時にはわたしはわたしだった。



それはとても苦しくて、

絶望に、似ていた。



そしていつからか思った。



こんなに苦しくて恐いのに、

わたしは何故に産まれたのだろう。



おさなごころの冬、わたしは知った。

かみさまは、いない。

見上げた夜空が、小さな覚悟にしんしんと静かに、迫ってくる。

そして圧倒的に広大な闇夜とそこに光るオリオン座を見上げながら、

「わたし」がむなしいと、感じていた。



かみさまよりもずっと失望していたのは、

無垢なわたしの乞い願う想いそのもの。



かみさまは、この寒空の上に。

絶対的で、不可侵なその場所は。



ままならない全ての責任をまるごとぶん投げたくて、

わたしはいつも呟いてきたのだ。

かみさま、と。



何、他力本願やってんだ。

いつまで。



だからいつからか、決めた。



あたしは、自分の采配で、

この人間に産まれてくる事を選んだのだ。



ハズレだよ。

センセイ。

とんでもない貧乏クジを引いた。



まさか産まれた瞬間に後悔するだなんて。



ハズレはハズレの、

理由があんだろ。

センセイ。



今生が終わり次第、

答えを聞けると期待しているけれど、

聞けなきゃ聞けないで自分で決めるから、

だからわたしたちは生き抜く。



誰にも委ねたりはしないで。



今、何故笑っているのかわからなくても、

今、何故泣いているのかわからなくても、



今、何故強くなれるのかわからなくても。



強くなれるのかわからなくても。

ありがとうございました

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