奴隷としての日々②
2月25日
ドメイクの奴隷になって十数日が過ぎていた。
私を監視している男は、私をヘドロの池に落とすのが趣味みたいで、毎日池の淵を歩かされて落とされていた。そのたびに、足枷の鎖を掴んで、私を池から引き上げている。そのたびに、私は、泥だらけにらっていく。セーラー服は既に泥だらけになっており、白かったセーラー襟は茶色に変色していた。
手を岸につけて、体を持ち上げようとした時、手についたヘドロに滑ってしまい再びヘドロの中に落ちたしまう。何度もヘドロの中に落ちた私を、男は、いつものように足枷の鎖を掴んで引きずり出した。引きずり出されるときに、下着の中にもヘドロが侵入してくる。ヘドロをべったりと服や顔に付け、全身真っ黒になって咽ている私に、男は立てと命令した。私はその場に立ちあがり、男に追い立てられて仕事場に向かおうとしたが、全身にへばりついたヘドロが錘になり、さらにヘドロに滑って再びヘドロの中に落ちてしまった。そのたびにヘドロが、手枷や足枷の鎖に絡みつき、何度もヘドロの中に体を沈めてしまう。やっとの事で岸に上がった私は、着ている服からヘドロを取り去るためにその場で服を脱いだ。奴隷にされて泥だらけにされた1日目の時点で、家畜以下の存在にされていた私。奴隷の中には、既に服の原型がなく、申し訳程度にぼろ布を纏い、ほぼ全裸という女性までいた。もちろん全身泥だらけである。
私は、上着のセーラーを捲し上げて、中に入ったヘドロを掻き出す。手枷と首輪から延びる鎖で、脱ぐことが出来ないため、最低限しかヘドロを掻き出すことが出来ない。次に、スカートと下着を下げて下着の中のヘドロを取り去り、下半身に着いたヘドロもついでに取り出す。男の目の前だというのに、私は、真っ黒になった下半身を平然と見せていた。ヘドロは取り去ったが、全身と服は真っ黒のままだ。白かったセーラー襟は、茶色を通り越して、今ではどす黒く変色している。もちろん下着も、元の色が解らないほどにどす黒く変色してしまった。ヘドロに何度も浸かった為、体や制服から何とも言えない異臭が漂っている。しかし、男はそのまま私を仕事場まで追い立てていった。
〇月〇日
ある日、私を監視している男が、突然すべての枷から延びている鎖を短くした。
「ドメイク様からのお達しで、奴隷共の鎖の長さをこれまでよりも半分にしろとのお達しだ。」
ドメイクの気まぐれですか。今までもドメイクの気まぐれで、私たち奴隷に、数々の嫌がらせをしてきています。
この前なんかは、食事中にヘドロをかけられました。ヘドロが私たち奴隷の食事である残飯にもかかってしまいました。しかしドメイクは、それを完食するまで食べさせました。残飯に何を入れられても完食しなくてはいけません。以前、男たちの小便を目の前で残飯にかけられた時、私たち奴隷は、それを口にできませんでした。その場は、男たちによって無理やり口の中に入れられ、翌日から数日間、食事を与えられませんでした。
しかしこれは、奴隷の誰かが逃亡しようとし、それによって奴隷全員が連帯責任を押し付けられていることなど、私たちには、まったく知らされていませんでした。
話はそれましたが、男は、私の枷の鎖を短くしていきます。鎖の両端は、リベットで直接枷に鉸められているため、途中を切って半分ほどの長さにしてから鉸めて繋ぎなおします。足枷の鎖は、20センチほどの長さにされました、今までは、歩幅よりも長かった為、歩くことは苦になりませんでしたが、歩幅よりも短くされたので、少し歩きずらくなってしまいました。首輪から胸あたりまで延る鎖は取り払われ、手枷に繋がる鎖が直接首輪に繋がっています。私の両腕は、上下左右に20センチほどしか動かすことが出来なくなってしまい、常に手首が胸のあたりでぶらぶらと揺れています。
そのまま男は、私を朝の日課であるヘドロの池に突き落としました。今まで以上に岸に上がるのが困難になりました。可動範囲が今まで以上に短い腕を必死に使い、何度もヘドロの中に落ちながらやっと岸に上がります。岸に上がった後に、問題にぶち当たりました。そう、今までは何とかヘドロを取り去ることが出来たのです。しかし今は、顔にへばりついたヘドロをぬぐりさる事しかできません。もちろん髪の毛についたヘドロを取ることはできません。服の下は、ヘドロがへばりつき重たくなっています。服の中のヘドロはどうすればいいのでしょう。
すると、新しく入ってきた奴隷でしょうか、まだ、小奇麗なビキニの水着を着ている子が、私のところまで連れてこられました。何処かで楽しく泳いでいたのでしょうか、彼女は、水着のままここに連れてこられたようです。当然「着のみ着のまま」で暮らす私たちなので、彼女の服は、ビキニの水着1枚です。
私と同じように短い鎖の枷のため両腕は、胸のあたりでふらふらと動いています。しかし、彼女には私とは違う所がありました。歩幅よりもさらに短い鎖、彼女の足枷の鎖は10センチほどの長さしかありません。完全によちよち歩きで、私のところまで来るまでも何度も転倒し、全身擦り傷だらけだらけです。私の前に連れてくると、私に男たちが命令しました。
「メス豚10号、新しく入った『メス豚15号』だ。こいつに、プールの使い方を教えてあげなさい。」
そう言うと男たちは、私をその場に押し倒し仰向けにすると、足枷の鎖と、手枷の鎖を持って、ヘドロの池に投げ込みました。何も抵抗することなく私は、空中で1回転半をして、いつもより少し遠い場所に、腹側からヘドロの中に入っていきます。そのまま全身がヘドロの中に沈んでいきます。
水深は1メートルほどしかないのですが、立ち上がることも私にとっては重労働です。粘り気のあるヘドロに、枷の鎖が絡みつき、さらに、服の中に入り込んだヘドロが、錘の代わりになって立ち上がることを困難にさせます。ヘドロの中でもがきながら立ち上がって歩き、やっとのことで岸辺にたどり着いた私。しかしここからが大変なんです。頭の先から胸のあたりまでしか動かせれない腕を使い、必死に体を岸の上にあげます。
私が岸に上がると、今度は彼女の番です。
「次はお前の番だ。」
男がそういうと、彼女は私のようにヘドロの中に沈んでいきました。もがきながらもヘドロから上がった彼女は、何と体中にヘドロをべったりとつけただけの全裸でした。水着がビキニだったのが災いしてか、ヘドロの中でもがいている間に脱げてしまったようです。そういえば、ヘドロの上に、水着らしき真っ黒な布切れが1枚浮いているのが確認できます。あれは、胸を覆っていた布でしょうか。すると、下半身を覆っていたはずの布は、ヘドロの中にあるのでしょう。何か身に纏いたい場合、彼女は、あれを取りに再びヘドロの中に入らなくてはいけません。
「着のみ着のまま」で暮らすのが私たち奴隷です。他の処はどうか知りませんが、ドメイクの屋敷ではそうなのです。なので、それ以外は、たとえどんな理由があろうとも何も与えてもらえません。当然着替えもありませんので、私は、夏の間中、冬服のセーラー服だったもので過ごしていたのです。彼女の場合、あのヘドロの池の中にある水着を取りにいかなければ、これから先は、全裸で過ごすことになります。
「あれを取りにいかないと、これから先、貴様には何も纏うものがないからな。」
男に言われて、彼女は、意を決したのか、水着を取りに再びヘドロの池に入ります。上の布は、ヘドロに浮かんでいるので、簡単に取りに行くことが出来ます。しかし、下半身を覆う布は、ヘドロの中にあります。当然約20センチしか動かすことのできない腕をヘドロの中に入れるには、ヘドロの中に頭から入るしかありません。水深は1メートルです。全身ヘドロまみれになりながら、彼女は何度もヘドロの中に体を沈めます。ボーと座ってその光景を見ていた私に、男が声をかけます。
「大事な後輩が、一生懸命ぼろ布1枚を探しているのに、貴様は高みに見物か?」
私は、茫然としました。これは、ヘドロの中に行けという命令みたいなものです。私は立ち上がってヘドロの池に進みました。しかし男たちは、私を押し倒すと、手枷と足枷の鎖をもって、私を池に投げ入れました。空中で半回転した後、私は、腹側からヘドロの中に沈んでいきました。それからは、彼女と一緒に、何度もヘドロの中に沈みながら彼女の水着を探しました。数時間後、やっと水着を探し当てて岸に上がりました。
その後、私と彼女は、互いにヘドロを取り合いました。彼女は、私の服を脱がして、体中にこびりついたヘドロを取ってくれました。私は、彼女の体のヘドロを取ると、真っ黒に変色した水着を付けてあげます。そのあと私たちは、それぞれ与えられた仕事場に連行されていきました。
私の仕事は玄関のタイル磨きです。短くされた手枷の鎖のせいで、土下座同然の姿勢で、タイルを磨きます。そうしないとタイルに手が届かないのです。正座をして腰をかがめてやっとタイルに手が届くのです。さらにタイルを磨くため上下に動かすには、立ち膝になってお尻を上げる必要があります。不安定な姿勢で長時間働けば、仕事が終わる夕方には、すでにくたくたになっています。
そして、1日1回の食事の時間がにやってきました。盥に入れられた残飯を食べるには、今まで以上に盥に顔を近づけなくてはいけません。食べている姿は、既に人の姿でないのは自覚しています。数人が盥の周りに正座をして、直に食べるように盥の中に顔を埋め手掴みで口の中に入れているのです。
翌日からは、私の日課になってしまったヘドロの池へのダイブに、彼女が加わりました。男たちに手枷足枷の鎖を持たれて、ヘドロの池に投げ入れられます。そうして私たちは、ヘドロを体中に付け異臭を放つようになってしまいました。