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私達、『パーティ鷺宮』です。番外編  作者: ai-emu
ケイコの奴隷日記
2/13

奴隷としての日々①

2月6日続き

「ドメイク様、この醜い奴隷に、『メス豚10号』という素晴らしい名前を付けてくださり、ありがとうございます。」

私は,ドメイクに対して土下座をして名を与えてくれたことに対して礼をした。そう、私は、やりたくもない土下座をして、『メス豚10号』という名を、嫌々ながらも受け入れるしかないのだ。私は、競りにかけられる前、『栗池恵子』という名を捨てさせられ、『名もなき奴隷』となっていた。さらにドメイクにより命名された『メス豚10号』という名を、これから先解放されるまで使っていかなくてはいけないのだ。これは、それを肯定した土下座であった。そう、私の意志があるのが、これが最初で最後なのだ。その1回が、奴隷に落とされた私にとって、名乗りたくもない名前を付けられた事への感謝の土下座とは、何とも泣けてくる話である。

「いい奴隷だ。しっかりを儂に礼が言えたな。褒美に儂の隣で寝ることを許そう。連れていけ。」

ドメイクが言うと、私の隣にいた盗賊が、首輪から繋がる鎖を引いて、私をを何処かに連行していった。私は、素直に鎖を引かれて引き立てられていく。隠れ家の敷地に建つ一際豪華な建物の中に入る。ドメイクが寝泊まりしている部屋に入ると、部屋の中に作られている小さな牢の中に入れられ、正座をするように命令される。

私が正座をすると、足枷を床に埋め込まれている鎖に固定される。さらに、膝の部分を、床に取り付けられた革の拘束具によって締め付けられた。これで私は、立ち上がる事も敵わず、拘束具を外されるまで正座をし続けるしかなくなる。盗賊は、首輪の後ろに、天井から延びる鎖に付いた小さなフックをかけた。さっきまで盗賊に引かれていた鎖は、取り外され代わりに床から延びる鎖に付けられた小さなフックをかけた。胸の前で鎖に繋がれ、存在なさげにブラブラと揺れていた両手は、首輪を固定したフックによって、喉元に固定されている。私を牢に固定した盗賊は、鉄格子を閉めて鍵をかけられた。牢は、天井、床、壁がすべて鉄格子で造られ、広さは、畳一畳分の広さしかなく、高さも、1メートルほどしかない。

盗賊は、牢の前に置かれたテーブルの上あたりから垂れ下がる2本の鎖の1つをを引いた。鎖の端が、私の首輪に繋がっているのか、引かれる力に応じて、私は、強制的に土下座をさせられた。もう片方の鎖を引かれると、今度は起き上がっていく。盗賊は再び片方の鎖を引いて私を土下座させると、そのまま鎖を固定して部屋を立ち去っていった。

暫くすると、ドメイクが部屋に入ってくる。ドメイクは、私が入れられている牢の前に置かれたソファーに座ると、天井から垂れ下がる鎖の一つを引いた。私はそれに合わせて起き上がる。ドメイクはしばらく私を弄ぶと、私を土下座の姿勢で固定して、そしてふかふかのベッドで就寝した。私は、土下座をしたまま一晩を過ごした。

2月7日

「メス豚10号、これからドメイク様の屋敷まで貴様を連行する。」

朝一番に、従者にそう言われると、牢から出されて連行された。一晩中土下座をしていたため、目不足のうえ、足は感覚がなく痺れている。そんな状態の私になど気にもかけずに、従者は、無理やり私を部屋から連れ出した。当然ふらつき、床に倒れ込んでしまう。拘束具のせいでうまく受け身が取れず、私は固い床の上に倒れてしまう。しかし従者は、私を無理やり立たせ歩くのを強要した。そうして、私は、何も食べ物を与えられずに、盗賊のアジトを後にする。

ここのアジトには、馬車は入ってくることが出来ない。ドメイクは、輿に乗り長い道を下って行ったが、私は、飲まず食わずでひたすら歩かされるのだ。さらに自分のペースではなく、従者に追い立てられ、ドメイクの乗る輿を追いかける形で歩かされた。私の首輪から延びる鎖が、ドメイクの乗る輿の後部に固定されているため、輿が進む速さで歩くしかないのだ。

途中、行きにも休憩したせせらぎで休憩に入る。私は、せせらぎの水を飲んで喉の渇きを癒した。休憩が終わり、再びフラフラしながら朦朧とする意識を振り払い、ひたすら山を下りていく。途中、あまりの疲労に倒れれば、容赦なく足蹴りが飛んでくる。やっとの思いで馬車のある麓まで降りてくると、窓のない馬車に押し込められた。扉に鍵がかけられるのを確認すると、ケイコは、揺れる馬車の中で爆睡してしまった。

どれだけ寝ていたのか解らないが、私は、足枷についている鎖を引かれて、馬車から引きずり降ろされた。地面に叩き付けられて目を覚ますと、外は既に夜だった。私は、立ち上がって男に追い立てられながら屋敷の中庭まで進んでいく。中庭では、奴隷たちが1列に並んでいた。私がその前で土下座をすると、男がケイコを紹介する。

「明日から貴様たちの仲間になる『メス豚10号』だ。ほら、仲間に挨拶しろ。」

男に命令されて私はは、自己紹介をした。

「明日から、皆さんと一緒に働くことになった『メス豚10号』です。よろしくお願いします。」

男は、私たち奴隷を追い立てながら、庭の端に作られた牢まで連行していった。牢は、天井と壁が鉄格子で作られており、屋根もなく吹きっさらしだった。地面は、ただ土が踏み固められているだけで、雨でも降れば大きな水溜りになりそうだった。そんな牢に私を押し込めると、男は、何も言わずに立ち去っていく。

私は、他の奴隷たちを真似るように、小高く盛られた土の上に頭を置いて、吹きっさらしの牢の中で眠りについた。

2月8日

今日は朝方から雨が降っており、ずぶ濡れになったまま寝ていた私は、鉄格子をガンガン叩く音で目を覚ました。牢から出ると、奴隷たち全員が1列に並んでいる。そして、点呼が終わると1人ずつ男に連行されていく。

「メス豚10号、貴様の仕事場はこっちだ。」

私は、男に鎖を引かれ強引に歩く方向を決めれれる。すでに5日間、水以外何も食べモノを口のしたいない私は、ぬかるんでいる地面に足を取られながら必死に男に鎖を引かれてついていく。

そして、その時はやってきた。男は、ふらつきながら歩く私の背中を、思い切り足蹴りを食らわした。私は、前のめりになって転ぶと、斜面を転げ落ち下にあった池に落ちていった。その池がヘドロの池だった。

「誰が水浴びしていいと言った!早く上がって来い!」

男の怒声が飛ぶ。私は、必死に池の岸を掴んで、上に上がろうとするが、何も食べえていないため、限界の体力の上、鉄の枷が錘になって、なかなか上がることが出来ない。水深1メートルほどの池を、上がりかけては、何度となく落ちて池の中に戻っていく。暫く面白そうに見ていた男は、ケイコの足枷の鎖を掴むと、そのまま強引に引き上げた。足から逆さに引き上げられた私は、抵抗することなく地面を引きずられる。ヘドロを吸い、ずぶ濡れになった服は、既に元の色ではなく泥だらけのヘドロまみれになっている。濡れた髪の毛にも泥とヘドロがへばりついている。当然服の中にも、ヘドロが侵入しているが、手枷が邪魔をして、ヘドロを掻き出すことが出来ない。特に下半身を覆う下着の中にも、ヘドロが入り込んでいるのだが、手枷と首枷を繋ぐ鎖で、胸のあたりにある手が、体勢をしても下半身まで届かない。私は、諦めてヘドロを掻き出すのをやめた。

「いつまで遊んでるんだ。さっさと仕事場に行くぞ!」

と、男は命令すると、私をそのまま仕事場にに連行していく。ふらつきながら連れてこられた場所は、玄関ホールだった。玄関ホールの脇の土の上に土下座させた私に、男が命令を下す。

「メス豚10号、ここが今日から貴様の仕事場だ。仕事内容は、床のタイル磨きだ。お客様がたくさん来るからきれいに磨き上げろ。誰かが通ったら、そこで土下座をして通り過ぎるのを待つんだ。掃除道具は、雑巾1枚だ。」

そう言うと、男は雑巾を私の前に投げ落とした。私は、雑巾を取ると、タイル磨きを始めた。それから休憩を挟むことなく、ひたすらタイルを磨いていく。玄関だけあり、途中何度か人が通りかかる。そのたびにタイル磨きを中断して、言われた通りに土下座をする。土下座をしている時間が、唯一の休憩時間だった。土下座空も、嫌がらせは続いた。何をされても文句が言えない私に、わざと背中に靴ごと足を置くと、背中の上で靴紐を結ぶ者はまだやさしい方だった。せっかく磨いたタイルをわざと汚して立ち去っていく者が後を絶たない。その都度私は、1から磨きなおすのだった。こうして1日が終わると、私は、中庭まで連行された。そこには、既に仕事を終えた奴隷たちが、1列に並んで待っていた。奴隷たちの前に大きな盥が3個並べられる。盥に中には、水に漬かった残飯が、山になって入れられていた。

「メス豚ども、餌の時間だ。10分で食え!」

男の合図とともに、盥に群がる奴隷。私も手近の盥に駆け寄ると、他の奴隷と同様に、手掴みで中の残飯を食い漁った。5日ぶりに口に入れる食事は、とてもおいしかった。多分本当は食べれたモノではないはずだが、私たちは、盥の中の残飯をきれいに平らげていた。食べ終えると、鉄格子の中に押し込められて1日が終了した。1日で他の奴隷たちと同様に、泥まみれにされたケイコは、体力を回復するために、すぐに寝てしまった。これから毎日続くだろう重労働の為に…。

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