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私達、『パーティ鷺宮』です。番外編  作者: ai-emu
鷺宮魔法学園の日常
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王女様の願い

コロラド王国の王城の一室。この部屋の主である、第4王女メーリア=サンダレスは、あの日からずっと苦悩の日々を過ごしていた。メーリアの胸元には、純金製の台座に水晶石が填められ、シルバーの鎖のついたネックレスが光り輝いている。そして、肩に乗っかり、ニコニコ顔でメーリアから貰ったクッキーを頬張るちっちゃな聖霊。メーリアは、この子を”コロナ”と名付けて可愛がっている。このネックレスこそが、苦悩の元凶なのだ。

「7月にある各龍神様の大神殿で行われる『降加祭』において、龍神の加護を受けたものを、次代の王にする。」

メーリアを含めた9人の王子王女の前で、現国王であるマルキネス=サンダレスは、こう宣言した。そうして訪れた7月10日の『降加祭』当日、各地の散らばった兄妹の中で、龍神の加護を受けれたのは、私と末の弟であるマルコのみ。私の年齢は9歳で、弟の年齢は5歳。私は、光の神子様からネックレスを貰い、マルコは、水の神子様からネックレスを貰った。

私の上には、25歳になる第1王子を筆頭に、6人の兄と姉がいるのだが、加護を授かることが出来なかった。国王になる確率が高い王位継承権上位にに名を連ねる者は、形だけでも加護を授かれば大丈夫だと踏んでいた。そのため、王都を離れることなく、創造神金色の女王(クインメシア)を祀る大本山で、形ばかりの加護を受けた。私を含めた下位の王子王女6人は、国王になる確率が極めて低いため、各地の大神殿に散らばっていった。

降加祭の後に行われた謁見の折り、今までの慣例通り、形だけでも加護を受ければ大丈夫だと踏んでいた3人、胸元に輝くネックレスを付けた私とマルコ。この5人に、上から順に王位継承権が与えられる予定だった。しかし、父上は、上の3人と私と弟の違い、胸元に輝くネックレスを見つける。

「メーリアにマルコよ、そなたらの胸元にあるネックレスは何だ?」

父上が、私たちに質問を投げかけた。

「私は、光の大神殿に赴き、光の神子様よりこのネックレスを頂きました。その時、私を含め5人が神子様より加護を頂き、それぞれこれと同じネックレスを頂きました。降加祭が終了した後に、神子様とお会いした時、このネックレスについて私からお尋ねしました。

神子様は、このネックレスのことを、『加護のネックレス』と呼ばれており、『記念品として、各神殿において加護を受けた者に与えている』と仰っていました。そして、私を始め、光の神殿で加護を授かった5人には、これと同じネックレスが与えられました。マルコについても、同じ理由になります。

光の神子様曰く、このネックレスには『加護の聖霊』が宿っており、聖霊との意思疎通が深くなるほど、いろいろな事が出来るようになると仰っていました。そしてその力は、聖霊が主と認めた者にしか使用する事が出来ないみたいです。」

メーリアは、ネックレスと貰った経緯を詳しく話した。王は、メーリアの言葉を一言一句噛みしめて聞いた。メーリアが話し終えると、王は、次の言葉を言った。

「コロラド王国国王、マルキネス=サンダレスの名に命ずる。第4王女メーリア=サンダレスを皇太子に任じ、第1王位継承権を与える。また、第5王子、マルコ=サンダレスに第2王位継承権を与える。」

そうして、国王の宣言通り、加護を貰った私が、王位継承権の筆頭になってしまった。そして、マルコが次席に座った。第1王子であるライラレスが、王の言葉に反論する。

「父上、私、ライブスト、エリシアは、王都にある創造神金色の女王(クインメシア)を祀る大本山で、加護を授かりました。なのに何故、我々には、王位継承権の第1位から第3位までをお与え下さらないのですか。」

「ならば聞くが、お前たち3人には、メーリアとマルコ同様、『加護のネックレス』を授かっているのか。授かったのならば、何故この場に付けていないのだ?」

王は、『加護のネックレス』を授かっていない事を問いただす。

「そ…、それは…。」

ライラレスは、言葉を濁す事も出来ずに、何も発することが出来なかった。それを見ると、王はさらに言葉を発していく。

「お前たちが、何も言えないのは分っている。何故ならば、お前たちが参加した『創造神の大神殿』には、金色の女王(クインメシア)様の化身であり代行者である神子様が不在だからだ。我の調べでは、『創造神の大神殿』以外の各大神殿では、神子様から加護を授かった者には、『加護のネックレス』を必ず頂いている。

慣例通り、形ばかりの加護を授ける事しかできなかった『創造神の大神殿』では、今躍起になって神子様を探しているそうだぞ。さらに言うが、光の大神殿では、度々光龍フレクシア様が顕現なされ、光の神子様とともにいるのを目撃されているみたいだ。」

王の言葉に、3人は絶句した。そして、隣にいるメーリアに話を振った。

「メーリア、お前は、光龍フレクシア様のお姿を拝見したことはあるのか?」

「はい、兄上。『降加祭』の折りに、壇上で顕現なされているのを拝見いたしました。その際は、なぜか白猫のお姿でしたが。」

ライラレスの問いに、メーリアが答える。メーリアは、玉座に座る王に向き直ると、自らの願望を伝えた。

「父上、お許し下さるのなら、来年から、私とマルコを、カランにある『鷺宮魔法学園』に、通わせてほしいです。王都にある王立学園に通うのが筋であると思いますが、私とマルコは、光の神子様が造られた鷺宮魔法学園に通いたいのです。どうかお許しください。」

メーリアとマルコは、深く頭を下げた。王は、しばし熟考すると簡潔に答える。

「メーリアにマルコよ。そなたたちの願い、叶えよう。来年度から、カランにある鷺宮魔法学園に入学する事を認める。」

こうしてメーリアとマルコは、鷺宮魔法学園に入学する事が決まった。

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