第5話:キミのために大キライ
「ヤッパリ・・・。なんかおかしいと思ったから、木に隠れて聞いてて・・・」
「なんで助けないんだよ」
「後でゆっくり地獄に落とそうと思ってさ」
恐ろしい。アンタ恐ろしいよ!でもまあ信じてもらえて良かったけど・・・これから何が起こるか・・・。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
「ただいま〜」
奈緒が帰ってきた。今日は傷をおってないだろうか。
「おかえりっ!てまたぁ」
つい口から出てしまった、“また”意味は気付かれてないだろうか。
「そっまた転んだの。まったくドジだね。あたし」
うそだ。奈緒のうそつき。
「うそつくなバカァ。アンタ咲原にやられてんだよね?!本当のコト言いなよ!」
「お姉ちゃん・・・っ」
許さない。咲原美佐。奈緒をこんなにして。
* * *
「見られてたな。俺らが昨日話してたトコ」
「まじで?!そういえば奈緒が今日も・・・」
二人は目を合わせ
「やりますか」
と声を合わせる。
######
「あっ虫ついてるよ!肩に」
あたしが美佐に言う。
「えーやだやだぁ。とってぇ」
美佐は言う。けど誰も取ろうとしない。みんな美佐はいじめっ子だから近付きたくないのだ。
******
「っあ〜すっきりした!ざまあみろ」
「あの顔マジやばかった」
公園であははっと笑うあたしたち。そして、沈黙。今チャンスかもしれない。
「あのさっ」
二人は同時に声をあげた。いいよ先と譲り合う。結局、あたしが先に言うことになった。
「あたしさ、好きなんだよね。寺田のコト」
言った!
「・・・ありがとう。でも俺、7年間日本にいないんだ。ごめんな」
それが寺田の答え――・・・。
「そうなの・・・。あたしのコトなら気にしないで」
「何いってんだよ?!」
「だって・・・。あたしは・・」
「俺もお前が好きなんだぞ?!」
キミはあたしをそっと抱きしめた。ダメだ。こんなの。
「なな何いってんだよー。あたしはアンタなんか大キライだよ!ドッキリでしたぁ」
「そうかよ」
寺田は寂しそうな目をして、公園から出た。ウソ。ダイスキだよ。でもいいんだ。これで、寺田のため。
いやぁ、長編の執筆って大変ですね( ̄○ ̄;)えーこの話は次で☆完結☆です。