第4話:好きなんだ。誰よりも君が
もう、あれから一週間。寺田には、話かけたけど、無視された。
そんなに美佐ちゃんが好き?
なんであたしを許せない?
となんど心で問いかけても、返事してくれない。目をつぶっても、笑顔の寺田がいないんだよ。マジで辛いよ。だってあたしアンタが――・・・。
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「教科書○○ページを開きなさい。えっと七実、ここを読みなさい」
「あっはい」
苦手な国語。読むのも苦手。あれ?教科書がない?教科書〜ってマジでない。
「なんだーどうした?七実、忘れたのか」
「まってください」
右隣は、寺田だから・・・左の男子に。
「あのさ・・教科書〜」
「いいよ。オレが貸す。ほら早く」
「あっうん・・・」
あたしが忘れたの分かったのか・・・。やっぱ、にやけるって寺田が好きな証拠なのかな。ありがとう!寺田。
ストンと椅子に座った。そして、ケシゴムを寺田の机に投げた。手紙付きで。
『気づいた?あたしのいいたかったこと』
『当たり前だろ。二年の付き合いだし』
分かった・・・!あたしは、寺田のこういう所が好きなんだ。
好きなんだ。誰よりも君が。