第3話:ウソなんだよ。そのなみだ
「亜梨紗っ・・・。聞いてる?オレ達結婚しね?」
はぃ?
「ムリだよ。あたしまだ21だし、待ってる人がいるからっ」
そう。待ってるのよ。
浩介を。
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「亜梨紗〜あのこがCD貸してくれた」
「あっそう。よかったじゃない。あの子って寺田が好きなんじゃない」
もう嫌なの。あの子。調べたんだけど・・・あの子の名前咲原美佐で、いじめっこだから、あんまり関わりたくない。本当は寺田にも・・・。
「何言ってんの?あの子がせっかく・・・」
「これからは美佐って呼べば」
「はぁ?何いって」
あ゛ー最悪。七実亜梨紗・乙女座。占い12位ってマジかよ?!
『大切な人に嫌われるかも』って当たってるし!
あたしは部活帰りに公園によるのが毎日。暗いけどね。ブランコに乗ったらスカッとするんだよね。
「もしかして・・・亜梨紗先輩ですか?何してるんですか?」
この声は・・・出た!咲原美佐!裏女!
「いや・・・ストレス発散?美佐ちゃんは?」
なんで公園にいんの(泣)
「名前、教えましたっけ?先輩に」
しっしまった。
「同じクラスの子に聞いたんだ」
「嘘つけ。妹に聞いたくせに。知ってた?あたしがアンタの妹、殴ってんの。楽しいよ」
ウソ・・・。いつも奈緒(妹)怪我してたけど・・・転んだって・・・。
「それに、寺田って、裏でいろいろやってるんだって、やばくない?」
寺田は絶対にそんなことしない。それにいじめが楽しい?はぁ?
「いじめが楽しいとかそんなん幼稚園児が言うことだぞコラァ」
あたしは、パーで咲原を一発殴った。
我慢できないよ。あんな言い方。
「何するの?イタイッ・・・」
はぁ?泣き真似?そんなん効かないよーだ。
「亜梨紗っ!お前美佐ちゃんに何した?」
ん?寺田?!
公園に寺田が来ていた。なんで来てんだよ。
「殴った」
「いいの。寺田くん・・・あたしが怒らせたから」
寺田・・・気づいてよ。ウソなんだよ。咲原の涙は。
「なにがあったか知んねーけど、お前酷いよ。殴るなんて、最低」
「なんでょぉ・・・。寺田のボケナス!」
二人が一緒にいるのは嫌だった。胸がズキッとした。多分・・・寺田が好きなんだ。
ねぇさっきはごめんね。寺田・・・仲直りしよう。