第2話:イチゴみるくとライバルの姫
14歳。まだ人生の3分の1も生きてない、幼いあたしの願いはただ一つ。
君と――ずっと一緒にいたい。
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「昨日のっお礼っ」
あたしは鼻をズルズルいわせながら、家にたまたまあったイチゴみるくのアメ(一つ)をあげた。
昨日寺田に傘にいれてもらったクセになんで風邪ひいてんのかって?あの寺田だよ?傘にいれてもらったから、イイヤツかも・・・。って思ったらさ、
「イチゴみるくのアメよこせ」
だよ?!ないって言ったら雪を顔に投げて来やがって、傘の意味なかったし。
マジむかつく!
「イチゴみるくはありがてーけど?傘いれてやったのに(途中まで)てめぇ何様だよ!!」
「お姫さま。なんちって」
・・・聞こえてた―!ココロの叫びだったのに〜。よりによって寺田本人に?!
「亜梨紗が姫だったら、他の女子は何者?!」
くそめ・・・。
許せん!寺田浩介。
「もっとかわいい姫?がいるんだよ!」
もっとかわいい姫・・・まさか!
もっとかわいい姫
‖
寺田の姫
‖
寺田の好きな人?!
「だ、ダレ?寺田の好きな人。内緒にするからさ」
「言うかボケ」
くっ〜〜せっかくコイツの弱味を握れると思ったのによー。
「寺田君、これ昨日貸してもらったCD!結構よかったよ!」
え
「だろ?オレこのグループの歌好きなんだ」
え
ちょっとこの美少女誰よー?!サラサラ&つやつやの髪に、ニキビ一つない肌、細い手足・・・負けた――!
「アタシお邪魔だったかな・・・ごめんね。えっと七実さんだよね?」
「あ、うん」
「ブスのクセに寺田君に手出すな。こんのドブス!」
あの子はそれだけをあたしに言って、じゃあねとどこかへいってしまった。
「あの子いい子だろ。妹の友達」
「そう。かわいい子だね」
「おう」
この言葉を聞いた瞬間胸がチクッとした。
どうして?
14歳。願いはただ一つ。君と――ずっと一緒にいたい。