第1話:ムカツク
ずっとずっとダイスキ。忘れないよ君のコト。いつまでも愛してる。
「ざむっ!!マフラー忘れたし。最悪。つか雪?!」
季節は...冬。部活がやっと終わって、帰ろうとしたら・・・コレだよ。雪は好きだけど、今ふるなよ。
「傘、いれてぁ・・・」
「はぁ?!」
何今の声・・・。不審者?!最近、多いからな。無視しよう。
サッと雪の中へ入ろうとしたら誰かに肩をつかまれ、後ろを振り向くと
「寺田?!なんで?!」
「ヒドっ。部活同じじゃねぇか。帰り道暗いし雪だし送ってやろうと思ったのによー」
寺田・・・。結構優しいとこれもあるんじゃん。今までのこと(口ゲンカ)許してやってもいいかな――・・・。
「お前なんかかわいくねぇんだから、送んなくてもいいかな〜」
最低。でも風邪ひきたくないし、我慢するか。
「お願い・・します。傘にいれてくだ・・さい」
「どうぞ。傘にいれるなんて一言も言ってねぇけど」
「うるさいっ。いれろバカ」
まだ好きとか分かんなくて、ただムカツクそれだけだった。でも今は――・・・。好きだけだよ。