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子供の頃から
この小説はフィクションです。登場人物と実際の団体、企業、人物とは関係ありません。
あと実際とは異なる部分もございます。あらかじめご了承ください。
俺は神崎 慶一、25歳。JRの山陽新幹線の運転士だ。
なんで新幹線の運転士になったかというと・・・。
ガキの頃山陽新幹線の高架の横に住んでいた俺は、窓のすぐ横を通過する新幹線をよく眺めていた。当時は100系が登場し始めた頃で、大多数の列車は0系だった。
夜、パンタグラフのスパークを光らせて通過していく0系は綺麗だった。
初めて新幹線に乗ったのは5歳の時だった。0系に乗りたいと親に駄々をこねたっけ。
1999年に0系が東海道区間から引退するというニュースはショックだった。
どんだけ300系や500系や700系が世間からちやほやされても、
親や友達に呆れられても、
近所に住む幼なじみに「そんなに好きなの?」と聞かれても、俺は0系新幹線が好きだと答え続けた。
俺にとって0系新幹線は英雄だったから。
そしてガキの頃から憧れた0系新幹線を運転したくて山陽新幹線の運転士になった。