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三年後離縁予定の妻ですが夫が離してくれません。何故?  作者: もも


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9/10

よろしくお願いします

 「第二王女様って陛下の妹様で美人なのでしょう。年下ですわね。オリバー様の理想通りではありませんか。どうして嫌なのですか?」


「理想などではない。嫌いだ。美人だとは思わないし贅沢好きで我儘が過ぎる。思うようにならないと癇癪をおこして人にあたるし人の話を聞かない」


「そんな方に好かれてしまったのですか?」


「好かれたわけではないと思う」


「えっ結婚を迫られたのにですか?」


「裕福になった公爵家の嫡男だからだろうな。贅沢をされたら直ぐに傾くというのに」

「漸く立て直したばかりですもの、贅沢をされれば一ヶ月も持たないと思いますわ。水を止めたらいかがですか?」


「王家を脅すのか」


「あら聞かなかったことにしてくださいませ」


「いや効果的かもしれない。父上に相談してこよう。行ってくるよ。また話を聞いて欲しい」


「はい」





 確か第二王女様ってサマンサ様という名だったわ。肖像画で見たことがある。十五歳で金髪で赤い瞳でふわふわ系。


「えっ!ええ〜っ!ヒロインじゃないの」


確かに見た目はヒロインだけど王女様ってどういうこと?このまま王命でも使ってオリバー様と結婚するの?小説とは違っているわ。低位貴族の庶子ではなく王女様。儚げな清く優しい少女って書かれていたはずなのに我儘なんだ。


オリバー様が成長して精神的に大人になったから変わったのかしら?私を好きって言った?そんな素振りはなかったのに。はあ〜今日だけでキャパオーバーだ。


ハーブティーを飲んで落ち着こうと思っていたのに



「若奥様大変でございます」メリーが顔色を変えて飛び込んできた。


「第二王女様がソフィア様に会わせろと押しかけて来られました。奥様が対応しておられますがお止めできるかどうか」



「オリバー様と別れろと言うつもりね。お義父とオリバー様はどちらに?」

別れるのは決まっていたけど命令されるのは本意ではない。権力を使って他の貴族家の内情にまで口出しをするなんて許さないわ。



「先ほど急いで王宮に行かれました」


「入れ違いなのね。急いで追いかけるようにジョンに言ってオリバー様に戻っていただいて。お義父様はお城に向かってくださいとお伝えして」


「畏まりました。お会いになるのですか?」


「受けて立つわ。言いなりにはならない。腹立たしいじゃない」


「それでこそソフィア様ですね」


「着替えるから手伝って」


「はい、この間お作りになった淡い水色のドレスにいたしましょう」



じりじりとして待てばいいのよ。先触れもなく押しかけた方が悪いのをご存じないのかしら?それとも我慢が出来なくてこの部屋まで来るのかしら。オリバー様が引き返されるまで時間を稼がないと。



部屋の外が騒がしくなった。はあ〜待てができないのね。


「姫様なりません。応接室でお持ちください」お付きの侍女だろうか。必死で止めようとする声がした。


「私を待たせるなんて何を考えているのかしら。無礼打ちにしてくれるわ。そこの者邪魔をすると切って捨てるわよ」


なるほど礼儀知らずの我儘モンスターなのね。あれじゃあ誰も結婚するわけないわ。


「廊下が騒がしいようなのでドアを開けて見れば、麗しの王女様ではございませんか。どうなさいました?ここは王城ではなく公爵家でございますが」


儚さとは無縁の美少女がそこにいた。なるほど見かけだけなら妖精のようだ。


「お前がオリバーの嫁なのね。随分と地味なのね。それに年増だわ。

お前より相応しいのはわたくしよ。身の程をわきまえなさいな。今すぐ離縁なさい。オリバーはわたくしのものよ。激しく求められたわ。離してくれなかったの。蕩けるような甘い時を過ごしたの。オリバーは身も心もわたくしの虜よ」


むっとしたが何を言っても無駄なので黙っておいた。随分はしたないことを平気で言われるものだ。高貴な方は恥じらいがないのだろうか?


「そうですか、夫から聞いていた話と乖離しておりますが。趣味が変わったのでしょうか。王族は既婚者を引き裂いても許されるのですね。

多くの貴族家が反発すると思いますがよろしいのでしょうか。

夫の容姿がお好みでございますか?財産はさほど多くありませんが」


「ごちゃごちゃと煩いわね。わたくしが譲りなさいと言っているのよ、聞けないの?」


「私の一存ではお返事いたしかねますわ。それより応接間でお茶でも飲まれませんか」


「いらないわよ。それ以上喋ると不敬で切り捨てるわよ。今日は許してあげるけど。お前たち帰るわよ。別れなさい、いいわね。命令よ」


真っ赤なドレスを翻して一行はどさどさと大きな足音を立て帰って行った。


大きな嵐が去ったようだった。


「生気を吸い取られそうな凄い方ですね」メリーが呟いた。お義母様が急いでやって来られた。一気に老けたような気がする。


「ソフィアさん大丈夫だった?お茶を勧めたのに飲まれもしなくて、オリバーに嫁ぎたいとしか言われなかったわ。あれでは公爵家ではやっていけないわ」


「お義母様、オリバー様達にお知らせしましたので直ぐに帰っていらっしゃいますわ。お疲れになられたでしょう」


「ありがとうソフィアさん。まだお若いのに既婚者を狙うなんて余っ程嫁ぎ先がないのかしら。うちに来られても財産を食いつぶされるだけだわ。どうにか思いとどまってくださると良いのだけど」


嫁と姑はげっそりとした顔を見合わせた。


お読みくださりありがとうございます! モンスターヒロインの登場でした。

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