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三年後離縁予定の妻ですが夫が離してくれません。何故?  作者: もも


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8/10

よろしくお願いします

 王妃様に手紙を出し訪問をお願いした。二週間後時間が取れたので登城するようにと返事をいただいた。

王城の奥深くに王族の私室がありそこに招かれた。まさか私室に入れると思っていなかったソフィアは胸が音を立てるのを自覚した。


白を基調にした上品で落ち着いた謁見室だった。


「よく来てくれたわね。さあ紅茶でも飲んで楽にしてちょうだい」


「わが国の月であらせられます王妃様にお会いできる光栄この上もない誉れにございます」


「そんなに緊張しないで良いのよ。王女のドレスを作ってもらうのだから。わたくしのドレスもお願いしようかと思っているの。軽くて着心地が良いのですもの。それとねえ下着は作れないのかしら」


「喜んで作らせていただきます。どのような色がご希望でしょうか?デザインはどういたしましょう?」


「見本があるかしら?」


「はいこちらに用意がございます」


王族の居住区まで使用人は入れないので、近衛に生地見本やデザインノートや商品の入っているトランクを運んでもらった。



広げたのは白から黒までの様々な生地と清楚系からセクシー系までの様々なデザインの下着の見本だった。


「まあ…黒もあるのね」


「黒い下着は大変人気でございます。艶めいて殿方を虜に出来ると買っていただけております。とても薄く大切なところは隠すようなデザインになっております。ストレッチリバーレースと言いまして夜着やインナーに最適な生地でございます」


ソフィアは前世の色っぽい下着を描いてきていた。私の中で密かに夫婦生活のマンネリ打開下着と呼んでいる。自分には関係ないのが悲しい。


「まあ、綺麗ね。こういう物が女性に人気があるの?」


「はい、それはもう。皆様旦那様が喜ばれると言われてお買い求めになります。柔らかい生地で着け心地も最高でございます。見本を献上いたします。そちらの侍女さんたちの分もございますのでどうぞ」


こういうこともあろうかと色違いで色々持ってきたのだ。壁に控えている侍女さんたちが嬉しそうだ。広告塔になっていただけば益々箔が付くというものだ。


「まあ、ありがとう。皆も喜ぶわ。これから何か困ったときには力になるから言ってね」



離婚して平民になってもお気に入り商会としてご贔屓をしていただければ嬉しい。こうして私は着々と準備を整え始めた。



いざとなったら離婚届を机に置いておこう。帰って来ないのだからしょうがない。

お義母様にはご挨拶しようかな。使用人にも随分良くしてもらったわ。







 そう思っていたある日夫が酷い顔色をして帰って来た。


「お帰りなさいませ。オリバー様。酷く顔色が悪いですがどうされました?お医者様を呼びましょうか」


「部屋に来てくれないか」


「分かりました」


別れ話をするので緊張している?いよいよか、覚悟はしていたけど急だ。


「失礼します」


「入ってくれ」


マントを脱ぎ捨てクラバット外した夫が苦しそうな顔をして立っていた。


「お茶を用意しましょうか?」


「酒を飲みたい気分だが、お茶にしよう。気持ちが落ち着くハーブのお茶をくれないか」


メリーを呼んでお茶を持ってくるように指示した。一口飲むとカップを置いた。


「この頃屋敷に帰れなくてすまなかった。第二王女に結婚を迫られ逃げ回っていた」


「えっ!?王族って既婚者でもお構いなしなのですか?でも旦那様はもう直ぐ独身ですね。そこに美人で元王族の奥様。良いのではありませんか?」


「えっ!?独身?離婚するのか」


「旦那様が言ったのですわ。君を愛することはないと。期限の三年が近付いておりますのをお忘れですか?」


「うっ無かったことにはできないだろうか。都合が良すぎると思うが、私は君を愛している」


「えっ?」


「何故驚く」


「そんなことはひと言も聞いていませんし、態度でも感じたことはありませんわ。王女様の申し出を断りたくて利用するのですか?」


「そうではない。本当に君を愛している。初夜に酷いことを言って傷つけて申し訳ないと思って、あれから直ぐに謝ったと思うが聞いていなかったのか…。

許してもらえなくても仕方がないとは思っていたが」


「でも旦那様の愛を感じたことはありませんわ」


「態度に出して今の心地いい関係が崩れると困るので言い出せなかった。好きだ。別れるのは嫌だ。傍にいてほしい。ソフィアといると落ち着く」


「友だちくらいにはなれたと思っておりました。夫婦として距離を縮めるならチャンスは沢山ありましたのに」


「うっ嫌われるのが怖くて言えなかった」


「えっ?嫌う、怖い?」


へたれだったのかと思ったらとっさに声が出ていた。


「えっ」の数が多い日だ。驚くだろう。初夜で地味な見た目の妻が不満で恋愛小説の定番のセリフを言った男だ。


了解が得られたと思ったのかおずおずと言ってきた

「抱きしめてもいいだろうか」と。


「ええ、良いですけど」ーーまあそれくらいなら。


そっと抱きしめられた腕の中は案外嫌ではなかった。

読んでいただきありがとうございます! 楽しんでいただければ嬉しいです。

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