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三年後離縁予定の妻ですが夫が離してくれません。何故?  作者: もも


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よろしくお願いします

 「オリバー様夏になる前に屋敷に冷風扇を付けませんか?」


「ソフィアの実家が販売している部屋を冷やす装置だな」


前世の記憶で家電の様な物を魔道具師さんに頼んで作ってもらい販売しているのが実家のノーフォーク伯爵家だ。


仕組みは分からないが作って欲しいと言って丸投げしているのに、形になって売られているのは魔道具師さん達と父と兄が頑張ってくれているからだ。



 動力は魔石だ。大きな物になるとかなり高い。

電気のように繋がっているわけではないから、魔石の交換という手数はかかるが涼しいので王家に献上し許可を得て売り出した。


夏でもきちんとした服装の貴族には喉から手が出るほど欲しいものだ。


その前に売り出したのが魔風扇だ。これは小さな魔石で動くので平民にも行き渡るくらいに普及していた。



「執務室と私達の私室、応接室にご両親のお部屋、それと厨房ですわ。様子を見ながら随時増やしていくのはいかがでしょうか?」


「良いね、そういうものが買えるようになったのだな。ソフィアのお陰だ」


「オリバー様が頑張られたからですわ。それと大型の保冷庫を買おうと思っておりますの」


「食料品が腐りにくいのだったか。水や氷は出せるが厨房用に出すわけにはいかないからな」


 主人が厨房で毎日氷や水を貯めるわけにはいかないそうだ。貴族って面倒た。

貴族の魔法の力は川が枯れそうだという時や魔物を火で始末する時に使うものらしい。

どこの街にも水道設備は整っている。山から引かれた水は長い水路を流れてくる。



トイレだって水洗だ。その先は郊外の農地へ流れるようにしてある。小説の世界はあくまで前世に近く作られていた。ありがたい。




いずれ前世の水道みたいに蛇口を捻れば出るようにならないかなとは思うが、国のトップじゃないと出来ないのだろう。


いざという時のために使うってことだよね。水不足は大変だものね。農作物が育たないと被害は平民から広がる。


それに火事の時には領主が率先して消す。水魔法の得意な家臣を連れて。そりゃあ慕われるよ。


そんなことを考えていたら

「今年に夏は両親が過ごしやすくなりそうで安心だ。年をとって暑さが堪えるようになったと言っていたので助かるよ」

とオリバー様が話しかけてきた。


「そうですわよね、領地の皆様が買える値段まで下がると良いのですけど」


「平民は薄い服で良いけど貴族や役人はそういう訳にはいかないからね」


「屋敷に勤める皆様の為に魔風扇を買いましょう」


「良いのか」


「それくらいの予算はありますわ」


「皆喜ぶな、ありがとうソフィア」



夏に向けて取り付けた冷風扇と魔風扇のおかげで皆のやる気が出て仕事が随分捗るようになったと分かったのは秋風が吹く頃だった。






 伯爵家から付いてきてくれたのは双子で護衛のジョンと侍女のメリーだ。子供の頃に孤児院で見つけた。二人共運動神経がよく土に文字を書いて遊んでいた。

絶対的な味方に憧れていた私はお母様にお願いしたのだ。私にあの二人を付けてくださいませと。


最初は戸惑っていたお母様も引かない私に折れてくれた。

「勉強も躾もちゃんとします。ソフィアに付けるのはそれからよ」

諦めたような微笑みに私は心の中で握り拳を上げた。


「騎士たちに鍛えてもらうつもりですわ。今のうちからですと護衛にもなれそうです」


母は大きく頷いた。



その二人は優秀な私の護衛と侍女になった。とてつもなく強くなったのだ。

そして誠実だ。あの時二人を見つけた私を褒めてあげたい。









◇◇◇





 一緒に過ごすようになりお互いに好きな物が多いと気が付いた。


推理小説が好きでどちらが早く読み終えるかとか、新刊が出るとどちらが早く手に取るか競争したりした。古本屋に行き手に取る本が同時だったこともあった。


舞台を観に行き同じセリフで涙ぐんでハンカチを取り出した瞬間が同じで笑いあった。


肉料理が好きで野菜を残す夫に、ふふんと得意そうにしてみれば悔しそうに口に入れているのが子供のようで可笑しかった。



私たちは仲のいい友達になれた。気の合う友達といずれ別れることになっても悲しんだりしない。

分かっている。



読んでくださってありがとうございます!お楽しみくださっていれば嬉しいです。

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