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三年後離縁予定の妻ですが夫が離してくれません。何故?  作者: もも


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5/10

 レース展は素晴らしかった。チュール、ボビン、ラッセル、ストレッチリバーレースが壁一面に額に入れられ飾ってあった。大きさも様々だ。

圧倒される繊細な美しさに息が出来なくなりそうだった。


中央に置かれたテーブルの上のガラスケースの中には手描きの作品が宝石のように飾られていた。儚くで綺麗だった。


いつか私の工房でもどれか一つでも作れるようになりたい、望みが出来た瞬間だった。



「すっかり虜になった顔だね。良かったら受け取って欲しい」


差し出されたのはレースが描かれた分厚い本と、薄い紙でラッピングされたレースのハンカチだった。前世のスワトーレースに近い。


しまった!オリバー様がいるのを忘れていた。話もしないで夢中で見てしまった。


「すみません夢中で見てしまいました。退屈だったでしょう。なのにこんなに素敵なプレゼントをくださりありがとうございます。一生の宝物にします。帰ってゆっくり楽しみますね」


「気にしなくていい。それより宝石より喜んでいる気がするのは気のせいだろうか」


「そんなことはございませんわ。うふふ」


「それは私が持つからこれからカフェに行こう。約束だよ」



エスコートされ、歩いて十分くらいの落ち着いた雰囲気のカフェに着いた。店の周りには木が数本植えてあり視界を遮っていた。


「いらっしゃいませ、ハワード公爵令息様と奥様。奥の個室にご案内いたします」と店員に案内された。


予約がしてあったのだろう。個室だった。人がいないところって落ち着くわ。

私だけだったらないはずの視線もイケメンの公爵令息と夫人では見られっぱなしで落ち着かなかった。


やはりオリバー様への熱のこもった視線が多く、私には妬みや嘲笑の視線が多かった。


負けないようにエスコートの間隔を近くしてやった。ざまあ見なさい。ふふん、今は夫婦だからね!







「ここはベリーのスイーツが多いそうだよ。好きだろう」


「ええ、大好きですわ。私の好きな物をご存じでしたのね」


「当然だ、夫だからな」


胸を張って言うところがとても得意そうで可愛くなる。弟ってこんな感じなのかしら。


「ではオリバー様はチョコレートケーキでしょうか?」


「知っていたのか?」


「当然です、妻ですから」


私たちは顔を見合わせて微笑みあった。



「甘酸っぱくて美味しいですわ。紅茶も最高級のダージリンですわね」


「うん、美味いな。チョコレートケーキも美味しいぞ。一口どうだ」


フォークの先に載っていたのは ケーキ だった。戸惑ったがせっかくなのでぱくっと口に含んだ。


「う~んほろ苦さとあまさが絶妙ですわね。美味しいですわ。では私のベリーケーキもどうぞ」


差し出したフォークの先に目が釘付けだ。みるみる顔が赤くなった。今更ながら自分のしたことに気がついたのだろう。それでも覚悟を決めたらしい。ぱくっと食べた。やった!意趣返し成功。


「美味いが食べさせ合うのは恥ずかしいものだな」


他人に見られなくて良かったです。

恋人同士でもないのに食べさせ合うなんて恥ずかしい。


「皆へのお土産にクッキーを買って帰りましょう」

照れ隠しのために急いで言葉を探した。







 カフェを出ると公爵家御用達の宝飾店に行った。


「いらっしゃいませ。ハワード公爵令息様とソフィア夫人」


「頼んでいたものを見せて欲しい」


奥の個室で並べられたのは深い青のブルーサファイア、海の色のようなアクアマリン、暮れ時の空の様なタンザナイトの石だった。


「この中の好きな石をアクセサリーに加工して貰おうと思うのだけど、どれが良いかな?」


いつの間にこんなことが出来る大人になったのかしら。結婚してから半年も経っていないわ。嬉しすぎて胸がドキドキする。


「このサファイヤを普段使いのネックレスとイヤリングにしてくださったら嬉しいですわ。オリバー様の色ですもの」


ここは仲良しアピールですね。お任せくださいませ、上手くやりましてよ。


「お返しにブラックダイヤモンドのピアスとカフスボタンをプレゼントさせてくださいませ」


「ソフィアの色を着けるのか、良いな」


店長は高額の注文にほくほく顔だ。


「デザインはどうなさいますか?良ければ見本がございますが」


私はデザイン帳にささっと絵を描いた。


「こういうデザインでお願いします」


「えっ!上手だな。こんな特技もあったのか」


「特技と言うほどではありませんわ。趣味で習っていただけです」


「奥様、こんなデザインは見たことがありません。きっとこれからの流行になります。デザインの権利を譲ってください。もちろん無料ではありません。デザイン料はお支払いします。売れればそれに上乗せします」


「良いですが、こういう事は実家の兄が詳しいので相談してからということで構いませんこと?」


「もちろんでございます。では出来上がりましたらお届けに伺います」


私がデザインしたのは前世で定番だったハート型だった。勿論本物だから豪華である。

夫の物は流石に落ち着いた物にした。


きっと今世でもヒットするはず。石が輝いてきらきらして可愛いもの、わ~い。儲かるわ。お兄様よろしくね。

読んでくださってありがとうございます!

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