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三年後離縁予定の妻ですが夫が離してくれません。何故?  作者: もも


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 その一週間後公爵夫人からお茶会に招かれた。夫は学院に行っている。


「息子がやる気になったのはソフィアさんのおかげね。ありがとう。シルクサテンを織る技術があったなんて知らなかったと言って、もう一度熱心に勉強をしているらしいじゃない。


わたくしも知ってはいたのだけど、古いものだからもう一度日の目を見るなんて思わなかったわ。若い人の感性は素晴らしいわね」


オリバー様勉強してるんだ。

生地が軽くなると嬉しいですと言ったのが伝わったのかな。


公爵家の立て直しがかかっているものね。


「ウエルズ地方の民も涙を流さんばかりに喜んでいるそうね」


「お義母様のドレスもお作りしていますので、もう少しお待ちくださいませ。お茶会で着ていただければ嬉しいですわ」


作ろうと思っていたのにに王妃様からの注文でお義母様の分が遅れてしまった。本家本元の公爵夫人が着ていないと変に思われる。


「そうして貰えると嬉しいわ。楽しみだわ。

今度晩餐会で塩釜焼きを出そうかと思うのよ。

テーブルが華やかになって素晴らしいと思うの」


「良いと思いますわ。シェフが木槌で塩釜を壊して目の前で盛り付けてくれるなんて、お客様の目を楽しませる演出が出来ますもの」



 テーブルの上には紅茶とタルトタタン、色とりどりのマカロン、チョコレートケーキ、カシスのケーキが並んでいた。全部私の好きなスイーツばかりだ。


遠慮なく頂こう。


「真鯛というのは蟹のような身で美味しいものね。あれも書庫の記録に載っていたのよね?ソフィアさんは目の付けどころが素晴らしいわね。あれから港も栄えて感謝の言葉が届いているのよ。本当にありがとう」



なんだか褒められっぱなしで、もぞもぞしてきた。でも嫌じゃない。

にこにこと微笑んでおいた。


「これはわたくしがお嫁に来るときに母から貰った物なの。ぜひあなたに受け取って欲しいの」


サファイヤのネックレスだった。深みのある青だ。お義母様とオリバー様の瞳の色だわ。


「まあ、素敵なサファイヤですね。これを私に?」


「ええ受け取ってくれると嬉しいわ」


十八の息子がいるとは思えないほど若々しい美貌のお義母様はそう言って微笑んだのだった。



 今はありがたく借りておこう。公爵夫人が認めている嫁という立場を誇示することになるわ。ひゃっほー、権力を振りかざそう。「文句があるなら公爵家が相手よ」をやってやる。


 立場を利用して自分の資産も増やそう。ボビンレースの工房を立ち上げようかな。前世からレースが大好きだった。良く集めたものだ。ブラウスにもレースをたっぷりあしらった物をよく買っていた。庶民が買える値段だから本物ではなかっただろうけど。またああいう物が欲しい。


前世ではスワトウーレースのハンカチを引き出し一杯集めていたっけ。勿体なくて中々使えなかった。でも今世は次期公爵夫人よ。普段使いするわ。おほほほ。



よし!レース工房を作るわ。私の為のね。お兄様に相談しよう。




「元気そうで良かった。シルクサテンだっけ?大評判じゃないか。ソフィアが見つけたんだろう?家にも問い合わせが来るんだ。公爵家の特産ですからって断ってるけど諦めの悪い者がいるんだ」


兄アランは忙しく飛び回る父の代わりに、王都で家の執務と商会を取り仕切っていた。

サラサラの銀髪で緑色の瞳が穏やかな印象のイケメンの兄は社交界と商売の世界を渡り歩いている。


「兄様も元気そうで良かったわ。お義姉様や父様母様はお変わりなくて?」


「ああ、皆元気だ。両親はお前の心配ばかりしてる。一度二人で顔を見せてやってくれ」


「オリバー様に相談して必ず顔を見せるわ。それより兄様お願いがあるの」


「いいぞ、聞いてやる」


「内容も聞かないで良いの?」


「可愛い妹のお願いは何としても叶えるさ」

相変わらずのシスコンだった。



こうしてソフィアのレース工房作りは具体的な話になった。誰にも文句を言わせないように令嬢時代から持っていた資産を運用した。

場所を決め職人を集め管理してくれる代理人を兄は優秀な能力で決めてくれた。







「兄様、何もかもやってもらってありがとう。頼りになるわ」


「ソフィアがしょっちゅう出歩くわけにはいかないんだ。任せてくれ」

妹に褒められ兄は笑み崩れた。


「お母様とお義姉様にシルクサテンの生地をお贈りするわ。遅くなってごめんなさいとお伝えしてね。お義姉様には兄様の色の銀色の糸を練り込んだ物にしたから期待してね」


「王妃様御用達だものな。生産が追いつかないのだろう?まあレース工房なんて簡単なことだから。…ソフィアは天使だよ。昔から。うちの領地を大きくしたのは……」


「それ以上は言わないで。照れるでしょう兄様」


「はははっ、そうだった」


「本格的に動き出す前に家と工房に行くわね」


「ああ待ってるよ」



私の作戦は始まったばかり、楽しみだ。

読んでくださってありがとうございます!真鯛の塩焼き(港が近いせいか安く手に入れられます。ありがたいです)あっさりしてて好きです。貴族のテーブルには塩ドームが派手かなと思い登場させました。

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