会食
第六話です。
日比野行きつけの蕎麦屋を出します。
今日もよろしくお願いいたします!
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「中核派が動いているらしい」
令の要望で、足立区綾瀬の立ち食い蕎麦酒処稜で食事をしている、国家情報局の平岡亜里沙から衝撃的な一言を聞いていた。
「いや・・・・・・蕎麦美味いね、あっ、ビールお替わり!」
結構、衝撃的な話をしているが、その平岡は蕎麦を啜りながら、店自慢の天ぷらをツマミに酒を飲む。
咀嚼音が余計に天ぷらの美味さを物語っていた。
「マル被は中核派ですか?」
「分からない・・・・・・ただ、暗殺直後に動き始めたから、違うんじゃないかな? というか、結鶴坊やが大阪にいたのが気になる」
結鶴君なぁ。
今回は状況証拠的に実行犯ではないらしいが、大阪入りしていたということを指揮を担当していたということか?
でなければ、このタイミングで関西入りなど・・・・・・
「お客さん、物騒な話ししているけど、警察の人?」
店主がそう声をかける。
俺もこんなところで、仕事の話をしなければ、良いんだけどな・・・・・・
「内緒ですよ、出禁になるのは嫌なんで」
「神田・・・・・・仕事の話はお店の迷惑になるって、分からない?」
「どうしても、この店で食いたかったんです」
「ふーん・・・・・・」
平岡が蕎麦を啜る。
最初に立ち食い蕎麦に行くと行った時はぶー垂れていたけど、食べたら、乗り気になっているのは幸いか。
「はい、ビール」
「ありがとうございます」
「・・・・・・頑張ってください」
店主はそう言って、はにかんだ。
「えぇ」
平岡も微笑みを返す。
「とりあえず、結鶴君はどうします?」
「呼ぶにしても、理由が無いからね・・・・・・神田はあの子が高校生の時に会ったことがあるんだっけ?」
「・・・・・・昔は会ったことはありますけど、今は会えないんじゃないかな」
「いや、真木がムショに行っているから、接触すれば良いじゃん」
「ムショ!」
店主が声を上げる。
「・・・・・・失礼」
「いえ、こちらが悪いっす」
「何だったら、ここに連れて来なよ」
「ここに!」
店主が恐怖に震えた目線をこちらに送る。
そりゃあ・・・・・・この話のペースだと、マズい奴が来そうだもんな。
実際にあの子は日本最強の極道の御曹司だもん。
「・・・・・・飯に釣られますかね?」
「まぁ、何か、物騒な動きにはなっているけど、とりあえず、反応だけでも伺いたいのよね」
「・・・・・・だし巻き卵」
平岡が頼んだ、だし巻き卵が出てくる。
「あんたの好きな奴、頂くよ」
店主が戦々恐々として、平岡を見つめる。
「平岡さんはその時に来ます?」
「行きたいねぇ、結鶴坊やは可愛いからね、一緒に蕎麦を食べたいね」
令も蕎麦を啜る。
濃い目の出汁が美味い。
天ぷらも食べるが、汁に付けると、その美味さは無敵の領域だ。
「連れてきます」
「よろしい、バックアップする」
店主のその時の顔は見ないことにした。
続く。
次回、第七話 帰京
ヒロインの従兄弟、登場です。
次回も乞うご期待!




