戦闘マシーンの本能
第二十話です。
最終決戦がスタート!
今日もよろしくお願いいたします!
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アパートから銃声が聞こえる。
断末魔の叫びも聞こえる。
黒陽会自前の特殊部隊はアパートの住人ごと、老兵こと鈴木至の殺害を実行しようとして、火炎放射器で住人ごと、アパートを焼き切る作戦に移行したが、先に突入した五人の隊員からの連絡が途絶して、指揮車にいる、真木組の面々は戦々恐々としていた。
恐らく、やられたな・・・・・・
俺が出るしかないか。
「どういうことだ・・・・・・特殊部隊は金がかかるんだぞ!」
「まぁ、火炎放射するのに奴の部屋を強襲して、殺害して、焼き切るというのは納得が行くんですが・・・・・・ここまで、強いとは・・・・・・老人のくせに」
オペレーターを行う、パソコンオタクから組員になった、児島がそう言う。
「柴田、責めるな。俺が出る」
「若が出て、怪我したら、どうするんですか! 大体、死ぬかもしれんのですよ!」
柴田が組長代理になってから、どうやら、俺を積極的に殺しの仕事をさせないようになってきたように思える。
当初は高田大臣暗殺の時は自分が狙撃を担当する予定だったが、途中で、韓国から狙撃手を用意することになって、自分が指揮官という役割を与えられ、作戦は決行されたが、柴田の過保護ぶりは少し、異常だ。
今はムショにいる、真木の方が自分の能力をよく見ていて、適度に仕事を与えていたように思える。
「柴田、過保護過ぎるんだ・・・・・・実際に韓国で金をかけて、育成した精鋭がやられているならば、俺が出るしかないだろう」
「いや、そんな金をかけた連中がやられるならば、若もやられますよ!」
すると、車内には沈黙が走る。
「何だ? お前は俺が負けると思ってんのか?」
結鶴は最大の敵意を柴田に向ける。
「いや、あの・・・・・・」
「答えろ、俺が負けるのか? おい、聞いてんだよ!」
結鶴が中継車の機器を蹴りつける。
打撃音が車内に響く。
「若にこれ以上、殺しの前線に行ってもらいたくないんですよ! 負けるとは思っていません!」
「そうか・・・・・・ベレッタとサバイバルナイフを出せ、恐らく、中距離から近距離の戦いになる。策はあるから、腕の一本が折れて、生還できる計算だ」
「若ぁ! お願いです! 俺たちに任せてください!」
結鶴はベレッタを若い組員から受け取ると、それを柴田に向けて、トリガーを引いた。
銃弾は柴田のこめかみをかすめて、車内の助手席の頭の部分にめり込んだ。
「行かせろ、でなきゃ、俺はお前を殺す」
「若ぁ・・・・・・どうしても、分かってくれないんですか・・・・・・若は跡取りなんですよ・・・・・・何で、自分から好き好んで、鉄砲玉になるんですか!」
「・・・・・・俺にしか出来ないからだよ」
そう言って、結鶴は車内を出る。
ここまで、指揮や根回しなどの不慣れでフラストレーションの溜まる、仕事ばかりだ。
存分にあの老人をなぶり殺しにする。
結鶴は笑みを浮かべていた。
そして、アドレナリンで脳内が一杯になる。
戦闘マシーンとしての本能を解き放ち、リミッターを解除した結鶴は老兵こと鈴木建を殺す為に燃え盛るアパートへと向かって行った。
続く。
次回、第二十一話 決闘
ついに決着!
乞うご期待!




