出陣
第二話です。
ひたすら、蕎麦を食う話ですwww
今日もよろしくお願いいたします!
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「あっ、ここ、美味いですね・・・・・・」
バディを組む、寺岡明巡査部長がそう言いながら、かき揚げ天蕎麦を啜る。
神田令警部補は行きつけの足立区綾瀬の立ち食い蕎麦酒処稜で、寺岡を引き連れて、立ち食い蕎麦を堪能していた。
神田はゲソ天蕎麦とかき揚げ丼とだし巻き卵を頼んでいた。
今はだし巻き卵を待ちながら、ゲソ天蕎麦とかき揚げ丼をがつがつと食べ進める。
「でも・・・・・・あれですよね、ヤマの最中だと、麺類ってダメなんですよね」
「それ、迷信だから、気にするなよ」
「そう言って、課長に見つかって、怒られていましたよね」
神田と寺岡の二人は警視庁本部捜査一課の刑事、いわゆる、デカなのだが、捜査一課では長年、ジンクスとして、事件の捜査中に麺類を食べると、事件が長引くという迷信めいた話があるのだが、神田は構わずに蕎麦やラーメンを食べるので、よく上司や先輩に怒られるのを寺岡は間近で見ていたのだ。
この人と、本部に移ってまで、一緒だとはな・・・・・・
昇進すれば、別々の部署に異動になると、思ったのに。
警察官は昇進をすると、別の管轄地域への異動となるのが、慣例で、寺岡も巡査部長に昇進したので、異動となったが、まさか、本部の捜査一課だとは・・・・・・しかも、新宿署の同僚である、神田令も警部補に昇進して、班長となって、神田班を率いるとは・・・・・・
「中嶋班に入って、どうだ?」
「まぁ、前から知っている人ですからね・・・・・・結構、仕事、任されますし」
「信頼されているんだな?」
そう言って、神田は蕎麦を啜る。
寺岡も蕎麦を啜る。
濃い目の汁が美味い・・・・・・天ぷらには定評があるとは神田から聞いていたが、サクサクで汁に浸すと何とも言えないコンビネーションだ。
「それよりも・・・・・・本当に美味しいですね」
「あぁ、誰にも教えるなよ」
そう話をしていた時だった。
「はい、だし巻き卵、お待ち」
「おぉぉぉ、待っていた」
「へぇ・・・・・・美味そうだなぁ」
神田が幸せそうな顔をして、だし巻き卵のすりおろし大根に醤油を付けていた時だった。
スマートフォンが鳴った。
「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
店主は驚いていた。
神田がだし巻き卵を食べようとした、タイミングでちょうど、臨場を知らせる電話がかかってきたからだ。
良かったぁ・・・・・・俺たち以外にお客さんがいなくて・・・・・・
「はい、神田・・・・・・はい、はい」
次第に神田のトーンが暗くなる。
「それは一大事ですね、すぐ、向かいます」
そう言って、電話を切ると、急いで、神田はゲソ天蕎麦とかき揚げ丼とだし巻き卵をかき込む。
店主は呆気に取られている。
「・・・・・・緊急ですか」
「だから、かき込んでいる」
残すわけにもいかないからなぁ・・・・・・
寺岡は蕎麦を全て食べて、汁を飲み干す。
神田も奇跡的にそれに間に合わせて、完食をする。
「お客さん・・・・・・凄まじいね?」
「若干、口の中を火傷しましたね、ご馳走さん!」
そう言って、神田と寺岡が店を出ると、店主は敬礼を返していた。
「あっ、バレていますね、僕らがサッカン(警察官の通称)ってこと」
「まぁ、言いふらす人ではないよ、行こう」
そう言って、二人は綾瀬駅のホームへと向かっていた。
七月の終わりが見えた、綾瀬駅の構内の暑さに対して、寺岡は数分で玉のような汗粒を流していた
続く。
次回、第三話 動揺。
ヒロイン、登場!
乞うご期待!




