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悪魔の取り引き

 第十八話です。


 ヤクザと警察の悪魔の取り引き!


 今日もよろしくお願いいたします!


18


 その後に真木組の面々が乗る、黒塗りのベンツの車列は品川埠頭へと向かった。


 毎回、使うが、密談には適しているよな。


「最近では、関係無い車両が長期間止まっていると、警備員が飛んでくるから、世知辛い世の中ですよ、若」


「まぁ、実際に犯罪者が使うしな。宇藤と将来の顧問弁護士殿は?」


「待っているとは言っていましたが・・・・・・連中は信用できるんですか?」


 そう不安気に聞いてくる、若い組員に結鶴は微笑を返す。


「信用は出来そうだが、怖い相手が言ったから、どうだろうな?」


「絶対に罠だ・・・・・・」


 そう言う中で、車列は埠頭に辿り着く。


 そこでは宇藤と佑介がクールビズ仕様のスーツ姿で扇子を叩いていた。


「あぁ・・・・・・結鶴さん、お久しぶりです。東京は暑いですね」


「おい! 待たせ過ぎだぞ! この猛暑の中で!」


 結鶴は車から降りると「デコスケはまだ、来ないんですか」とだけ聞いてきた。


「あの四条っていう、女はまともじゃないぞ・・・・・・」


「確かにそうでしょうね。目的のためにヤクザと共闘しようなんて」


「・・・・・・知っていたのか?」


 佑介が怪訝な顔を浮かべる。


「目的のために利用するんであって、共闘ではないでしょう。あまり、深入りをしたくない人だ」


 結鶴がそう言うと、佑介は「高田は右翼系テロリストとも通じていたそうだ。四条の狙いは左右のテロリストが潰し合いをして、弱体化したところを攻め入る、そのために俺たちを利用しようとしているんだ、あの女は危険だ。デコスケに必要な倫理観が欠落している」と言って、扇子を扇ぎ続ける。


「まぁ、張り合いはしない方が良いでしょう」


 そう二人で話をしている中で黒塗りのセダンの車列がやって来た。


 デコスケ・・・・・・いわゆる、警察側の車列だ。


「よう、良い車に乗ってんじゃねぇかよ」


 佑介がそう警察側を挑発するが「話し合いを始めましょうか・・・・・・」と眼鏡をかけた、神経質そうな男が言い始めた。


「秋山結鶴君、四条から渡された紙を開いてくれ」


 紙を開くとそこには住所が書かれていた。


「それは我々がマークしている史上最強の革命戦士である、老兵こと鈴木建の潜伏先・・・・・・というよりはボロアパートだな」


「俺たちに何をしろと」


「決まっている、報復だよ」


 結鶴は男の表情を凝視する。


 読めないな・・・・・・


 何を考えているかが分からない。


「良いのか? 警察が抗争を促して」


「我々としても好都合なんだよ、頭の良い君ならば、分かるだろう」


 なるほど。


 つまりは警察の敵である左翼系テロリストとヤクザが潰し合いをしてくれれば、万々歳ということか。


 まずは左翼から攻め入る。


 そういう狙いだと、考えられる。


「当日はガス漏れがあったとかで周辺を封鎖する。住民ごと殺してくれても構わない」


「おいおい、デコスケが民間人の虐殺を容認するのか?」


 佑介がそう言い放つと男は「四条はそういう奴でね、それにあのアパート自体が何らかの脛に傷を持った連中の集まりだ。俺からしたら、死んでいい奴らの集まりだからな」とだけ言った。


 ストレートにエリートの本音を言うな。


「分かった、ただ一つだけ容認して欲しいことがある」


「何だ?」


「左翼系テロリストの幹部のリストをくれ。ウチの特殊部隊を使って、殺す。それと参院議員の小石川も殺す。全員、皆殺しにするつもりだ」


 そう言うと、男は笑みを漏らして「良いだろう。有効に使えよ」とだけ言った。


「ただし、左翼が片付けば、君たちを捜査対象にするということは忘れるな。国家公安委員長のご意向も内閣改造や首相交代になれば、通じないぞ」


 分かっている。


 ヤクザと警察が仲間になることは無いということだ。


 それでいい。


「決まりだな」


「あぁ、全員殺してくれ」


 ここに部分的ではあるが、ヤクザと警察の悪魔の取引が成立した瞬間だった。


 時刻は午後四時二十三分。


 猛暑が全員の身体を襲っていた。


 続く。

 次回、第十九話 最後の闘争


 最大の敵、老兵がついに登場!


 乞うご期待!l

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