従弟の変心
第十六話です。
従弟の正体が露見します。
今日もよろしくお願いします!l
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「鈴・・・・・・起きろ、起きろ」
聞き覚えのある声を聞いて、ベイカー鈴は目を開く。
ここは・・・・・・どこだ?
目の前には自分の父親である、ネビル・ベイカーの髭面があった。
恐らく、ここはMI6が用意した、セーフハウスだろう。
「パパ・・・・・・私」
気が付けば、泣きじゃくりながら、ネビルに抱き着いていた。
確か、何か、怖い男の人たちに睡眠薬か何かを嗅がされて、誘拐されたはずなのに・・・・・・
そう、ふと思った時にすぐに結鶴のことを思い浮かべた。
「結鶴君は!」
ネビルは驚いた顔を浮かべた後に「彼は警察に出頭した」とだけ言った。
警察?
まさか、逮捕されたのか?
「逮捕されたの?」
「いや・・・・・・どうだろうな?」
ネビルは笑いながら、そう言う。
「パパ! 何を笑っているの! 結鶴君が逮捕されたんだよ!」
「鈴姉、秋山結鶴は自分から出頭したんであって、逮捕じゃない。恐らく、相手が予想通りの相手ならば、釈放されるよ」
声のする方向に振り向くと、大吾がそこにいた。
「大吾・・・・・・何をしているの?」
「秋山結鶴と同じ、アルバイトさ」
はっ?
ということはさっきの狙撃って、まさか!
「パパ! 大吾にスナイパーなんて、やらせているの!」
「良い狙撃センスだったな、日本人だから、帰化しないと、MI6の工作員にはなれないが、その素養はある・・・・・・優秀な若者だよ、彼は」
「そういうことじゃない! 何で、大吾を巻き込むの!」
ネビルが困惑を顔に表すが、大吾は「自分で望んだからさ」とだけ言った。
「自分でって・・・・・・」
「平等とか口にする自分では何も努力しないで、やる気があれば報われると思っている、バカな日本の学生の横並びが嫌で、自分から伯父さんに頼み込んで、試験を受けて、ここにいる・・・・・・給与もかなり良いし、最高だよ」
「大吾! あんた、自分が何をやっているのか分かっているの!」
「バカな左翼のオジサンたちの射殺? さっきに至っては?」
鈴が大吾の元に駆け寄り、平手打ちをしようとするが、ネビルがその手を取る。
「止めろ、大吾は大人で、日本社会に嫌気が差した、それだけだ」
「パパ・・・・・・大吾を何で、巻き込んだの?」
「必要だからだ、大吾は優秀で、本人にも適性がある。それだけだ」
だからって・・・・・・
鈴は気が付けば、泣き出した。
「伯父さん、ここはどうする?」
「まぁ、ここだったら、警察も立ち入れんさ。お前は帰っていいぞ」
「帰ってもなぁ・・・・・・何もねぇよ」
大吾の「へっ!」という偏屈な笑いが響く。
何で、こんなことになっちゃったの・・・・・・
鈴はひたすら、泣き続けるしかなかった。
続く。
次回、第十七話 警視庁の魔女
日比野作品ではご無沙汰のあの人がゲスト出演です!
乞うご期待!




