反撃の始まり
第十話です。
結鶴パパ、登場です。
今日もよろしくお願いいたします!
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「若木組の事務所が爆破ねぇ・・・・・・」
フランス料理に舌鼓を売っていた、黒陽会会長の藤宮勇作は京都府警の幹部からもたらされた情報をタブレットで眺めていた。
「今回に至っては近畿黒陽会や関東の極道とも連携を取るそうですが・・・・・・」
息子の佑介がそう言い放つ。
「・・・・・・中核派かぁ、連中も年寄りばかりなのに頑張るよ」
「最近ではイスラエルとパレスチナの戦争で、パレスチナへの同情心に駆られた、学生がよく分からずに左翼系テロリスト集団に加入する話がありますからね」
「素朴な正義感と言うのは愚かだよ、何も物事の本質が見えなくなるんだ。世の中は善と悪と言う二元論で語れるものでは無いと、この世界にいれば、つくづく感じるが、世間知らずの子どもやエリートにはそれが分からない」
子羊のポワレを食べている、勇作は「黒陽会の自前の特殊部隊を使おう。韓国から、呼び出せ」と言い出した。
「日本が戦場になりますよ」
「良いじゃないか・・・・・・それと、佑介、お前は結鶴に情報を渡す為に東京へ行け」
佑介の顔が歪む。
「私がですか?」
「何だ、父親の言う事を聞けないのか? 弟は公安の連中に目を付けられて、組とも連絡が出来ない。一応は堅気のお前が情報を伝達するという事は大事だ。お前は奴のお兄ちゃんなんだからな」
佑介は結鶴のことを嫌っているのが分かっているが、人は役割が大事なのだ。
今の佑介の役割は結鶴に組の情報を伝えること。
がんじがらめになっている、我が息子に助け舟を出すのも親の役目だ。
「行け、旅費は出す。今からだぞ」
「・・・・・・すぐに向かいます」
そう言って、佑介は配下の組員に指示を出す。
「あぁ、それと特別に新幹線の一車両を貸し切りにする。父さんからのせめてもの謝礼だ。東京で羽目を外してきなさい」
「終わり次第、すぐに京都に戻っていいですか?」
藤宮は微笑む。
「お前は東京が嫌いか?」
「雑多としていて、欲望のままに生きている、気取った連中の巣窟ですから」
「同感だ・・・・・・私は愛知県民だが、あそこは嫌いだ。結鶴はよくあんなところに住めるよ」
「行ってきます、父さん」
そう言って、佑介は護衛の組員と共にその場を辞した。
さて・・・・・・中核派の年寄りはどういたぶってやろうか?
やられたら、やり返せ。
自分の座右の銘だ。
若い組員・・・・・・自分の息子のような存在が傷つけられれれば、親である、自分が取る方法は復讐しかない。
今から、連中に私たちを敵に回すということがどういうことかを分からせてやる。
藤宮は微笑を浮かべながら、ワインを飲み始めた。
「お替わり」
ウェイターがワインを注ぎ始めた。
次回、第十一話 ヤクザと警察の蕎麦ディナー
ひたすら、食事回です。
乞うご期待!




