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Making of the story・・・No.008 最終話
季節は廻り、丘には春の風が吹き抜けていた。かつての荒れ果てた土地は、色とりどりの花に包まれ、街の人々の憩いの場所になっている。
そして、丘には新しい名前がつけられた。"マリネージュの丘"。
その名は一人の女性の静かな優しさと努力を讃えるものだった。
私は丘の中央に立ち、深呼吸をし、花の香りが風に乗り、胸の奥まで届く。
思い出すのは遠い日、子供として見上げたマリエ・ル・シェリの姿、小さな手で花を植え文字を教えていた光景。
ここは彼女の思いが確かに残っている。
人々の笑顔・子供たちの声・季節ごとの花・すべてがマリエの優しさの印。
丘を訪れる人々は皆知らず知らずに心を癒され励まされている。
そしてこの私も、この丘の存在に深い感謝と安らぎを覚える。
人は消えても、優しさは残る。そのことをマリエ・ル・シェリの丘は語り続けている。
丘に立ち、そっと手を合わせ『ありがとう、マリエ・ル・シェリ、あなたの光はここにずっと活きています』
花は風に揺れ陽光は丘を包んでいる。
そして丘は今日も人々の心を浄化し希望を届け続けていくのでしょう。




