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Making of the story・・・No.003 季節のいろどり
春が過ぎ、丘の緑が少しずつ広がり始めた。
マリエ・ル・シェリは、毎週末、植えた苗の世話を欠かさなかった。
光の中で小さな花々が揺れる丘は淡い色に染められ美しさに満たしていた。
私はその丘に訪れることが自然に増えていった。
ふもとの子供たちは、マリエの静かな声と手のぬくもりに触れ繰り返すことにより、文字の意味が少しずつ理解へ結びついていく。
「読むって、いいね、楽しいね・・・」
子供たちの笑顔が丘の風景と重なり合うようだった。
街の大人たちも、少しずつ気づき始めていた。
遠目の丘に立つマリエの姿、咲き始めた花々。子供たちが明るい。それらは日常の中で見過ごされてい丘を特別な場所に変えていた。
私はその光景に感動した。この丘が人々の心を変える力になっている。
私だけ感じることなのかもしれないけれど・・・。




