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プロローグ

私は愚かだった。

それに気付いたのは、ここに幽閉されて300年になろうかと言う時だった。

この世界には聖獣が数百年単位で

生まれる。

そして、聖獣は主と言う名の伴侶を決めると自身の寿命の半分を相手に分け与える事が出来る。

私は龍の聖獣で寿命は約1000年だ。

私が伴侶となるその男と出会ったのは400 歳になろうかと言う時。

純粋な野望と強さに惹かれた。

まさか、その後にこんな所に閉じ込められ命尽きるまで飼い殺しになるとは。

その日、私は珍しく形だけの夫のアルドの訪問を受けていた。

柵越しに私を見たアルドは見知らぬ女と共に現れた。

「ミア、君のお陰で僕の野望はついに成就した。君のくれた寿命と、君の生命力のお陰で死ぬことなくこの世界を我が物に出来たのだ。ありがとう」

機嫌良くそう説明する男はニヤリと微笑む。

「が、お前もそろそろ寿命だろう。何せ新しい聖獣が生まれたのだから」

この国の伝承では伴侶を得た聖獣が死ぬ前に新たな聖獣が現れるとされていた。

そう、私の寿命が近いのだ。

龍は1000年生きると言う、だから400歳の時にアルドと出会い私の寿命を半分与えたのだから、そろそろ私の命運尽きる頃だ。

「世界統一したこの世界で、俺は新たな聖獣の伴侶を得てさらなる繁栄を築くのだ。今、この時を持って俺とミアの婚姻を解消し、俺の新たな伴侶をルーシャとする」

アルドの宣言と共に私達を繋いでいた絆が切れる音がする。

そして、それを感じたと同時に腹部を熱い物が貫く。

それがアルドの持っている槍だと気付いた時には、私の意識は途切れる最中だった。

ああ、こんなことならさっさと私の方から婚姻を解消していれば良かった。

いつか私の元に来てくれるなんて馬鹿な事なんか考えずに。

崩れ行く私に踵を返したアルドは振り返りもせずに牢屋を後にする。

もし、もう一度チャンスがあれば、私は・・・

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