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説明書の大切さ

「stupid!!」


突然現れた、おっかないゲルマン系のワンコな女性。何?何事??


ちょっと前まで夢のような世界を普通に歩いていたのに。


「大丈夫ですか?お疲れなら座って休みますが。まだ先方も来ていませんし」

「あ、いや大丈夫。ありがとう」


ポメラニアンのつぶらな瞳に映し出される俺は、案外かっこいい。


そんな風に自画自賛してたら、急になん「何しているの!?」

「ああ、すいません。お久しぶりです。あ、ご紹介しますね。次のナビゲーターのナターリアさんです。ベラルーシ出身でドイツでマスコミ関係のお仕事されている方です。こちら、今回の」もう聞こえない。


何?こんなおっかないマッチョなシェパードさんとは無理!!


この人、ゲルマンじゃなくてスラブ系ですが、聞いてませんね?


どうやって「来訪者さん?」

「あ、はい」ポケットにアイコスをしまっていたら、矛先がこっちにきた。


「はじめまして。ナタリーでいいわ。私は次のスペインを案内する予定よ。どこか予め行きたい場所はある?」

「あ、グランツーリスモのロンダは行きたいです」

「何?きちんと喋れるのね。私ははっきりしないのが嫌いなの。私に対して遠慮は不要よ。あと時間にルーズなのはできる限りやめてね」

「はい、わかりました」

「敬語も不用よ。確かあなたの方が歳上よ。東洋人は年齢で話し方が決まるんでしょ?」

「日本人なんであんまりそんなこともないです。相手に合わせるので」

「私はあの管理者と同い年よ。本当に気にしないでいいわ。アレルギーとかある?」

「ないです。あ、でも昆虫とかはちょっと」

「仕事柄、珍しいものを食べたりはするけど、あなたには普通にしないわよ」


よく見ると普通にスーツ姿のビジネス街を颯爽と歩いてそうなカッコいい女性。シェパードさん。怖そうだけど、きちんと先に聞いてくれている。


「他に何か苦手なことや食べ物、譲れない条件とかあったら先に言って」

「ホテルはタバコ吸える場所を」

「stupid!!それよ!あなたここ禁煙エリア!アイコスも禁止よ!!」


「え?アイコスもダメでしたっけ?」

「このボケナビ!来訪者が罰金とか、ナビ失格よ!」

「あ、ごめんなさい。俺が待つのについ」

「タバコはわかったわ。指定した場所以外では吸わないでね。あと、田村さんはきちんと確認すること。今回はよかったけど、気をつけて」

「すいません」


左手からひったくられた地球の歩き方のページの最後の方を突きつけられた。普通に喫煙場所についての注意が書いてあった。


「すいません」「ごめん」

「私に謝っても仕方ないでしょ!次は気をつける。それだけよ」


ほら、とナタリーさんはたむくんお手製のしおりのヴェネツィアの地図に喫煙可能な場所の印を付けてくれた。


「今日は顔合わせだけよ。あとはスペインの空港で交代するから、それまでイタリアを楽しんで。私のおすすめはカプリ島よ」

「あー、すいません。管理者から絶対モデナ!フェラーリ博物館!ということでカプリ島行かないんです」

「stupid!バカなの!?クルマバカなの!」

「ナポリまでは行くんですけどね」


次のナビゲーターさんは随分とパワフルな人っぽい。


案外、いい人ですよ。

まあ、そんな気がするよ。

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