第六話 友達が出来たよ!
「城に行くことは避けられないが…………このままフローラが陛下方に捕まってしまったらと思うと…………せめて、フローラに友達を作ってあげたいのだが」
「そうですわ!私の親友の子を紹介します! 本当なら昨日の会場で会わせてあげようとあちらにも連絡はしていたのですが、あの騒ぎでそれも出来なかったようですし………王家の方々にも少し落ち着いてから会いに行くことをお伝えすれば、きっとお許しいただけますわ」
そう言うと両親はあっという間に行動に移した。
王家には丁寧に返事を出し一週間後に会いに行くことを伝え、母の親友にも子供達を会わせたい旨をしたためた手紙を出せば、すぐに返事が届き、早速明日会わせようという話に決まったのだ。
次の日
朝から丁寧にブラッシングされた私の髪の毛と、可愛い尻尾は光り輝いている。
自分でも尻尾を触ってみたが、いつまでも触っていたくなる手触りだった。
やっぱり獣人って良いよね!
自分で癒されるわ〜
「私の可愛いフローラ! そろそろお客様が来られるから、こちらに掛けて待っていなさい」
父に言われたように椅子に腰掛け到着を待つ。
どんな子が来るのか気になったので昨日も聞いてみたが、会ってからのお楽しみということで教えてもらえなかった。
まあ、どんな子が来たって私は喜ぶ自信がある!
城で見かけた子達もみんな可愛かったし。
そして、待ちに待った瞬間がやってきた!
「まあ、あなたがフローラちゃんね! 私はレイアの学生時代からの親友のシンシア・バルトよ。そしてこっちが私の子供、双子なの。兄のアレク、妹のアンリよ」
母の親友は兎の獣人だった。
双子ということだけあり、二人は顔の作りがそっくりだ。
髪型が違うからわかるが…………ん?
一人は髪を肩より上に切り揃えていて、もう一人は髪を一つに結って前に垂らしている。
見た目で言えば髪を一つに結って長い方が妹ちゃんかと思うのだが………違うな、私の本能が訴えている………なので、本能に従い挨拶しよう。
「はじめまして、フローラ・ベルンハルトです。アレク様、アンリ様、よろしくお願いいたします」
私はニッコリ笑顔で挨拶した。
もちろん髪の長いアレク様と短いアンリ様の方をきちんとそれぞれ見ながらだ。
「まあ、驚いたわ! 初見でアレクとアンリのことがわかるなんて! 」
シンシア様がびっくりしている。
その隣で双子ちゃんも目をまん丸くしていた、カワイイ〜
まあ、理由はなんとなくとしか言えないのだが、間違わなくて良かった。
前世で部下が双子だったのだが、間違われることを非常に気にしていて、間違ったやつをコテンパにしていたのだ。
私は何故かその時も間違えることはなかったのだが、それが理由なのか部下の双子には非常に懐かれた。
ただゴツい双子だったので残念ながら癒しにはならなかったのだが………いや、うん、懐いてくれるのは嬉しかったんだけどね。
「さすがフローラね、私の天使はスゴイわ! 」
母も父と一緒に喜んでいる。
まあ、勘なので天使は関係ないですよ〜
「すご〜い! 私たちのことがわかるなんて素敵だわ! 今まで会った大人はいつも反対に言うんだもの」
とってもステキな笑顔でアンリ様が私に話しかけてくれた。
サラサラの銀髪に真っ白な耳が素敵すぎますよ、お嬢さん!
そしてもう一人、アレク様が
「僕とアンリをわかってくれるなんて凄いね。僕のことはアレクって呼んで」
「あ、ずるい! わ、私もアンリって呼んでね! 」
カワイイ子うさぎさんに両側から手を握られ、そんな風に訴えられた。
そんなの答えは『はい、喜んで!!』しかないでしょう!
「はい、アレク、アンリよろしくお願いします。私のこともフローラと呼んで下さいね」
私がそう言うと
「うん、よろしくねフローラ。僕、フローラと仲良くしたいから敬語もやめてくれると嬉しいな」
「わ、私も! フローラ、仲良くしてね! 」
くう〜〜! 生きててよかった! 一回死んでるけど…………。
こんなカワイイ子うさぎさんとお友達になれるなんて幸せすぎる〜
もっと仲良くなったらあの真っ白なお耳も触らせてくれるかな?
「フローラの髪の毛も尻尾も凄く綺麗だね、触っても良い? 」
「本当だ!とってもキラキラしてる! 」
アレクがそう言いながら私の髪に手を伸ばそうとした時その手をシンシア様が止めた。
「ダメよ、アレク。いくらカワイイからって初めてお会いするフローラちゃんの髪を触るなんて。さあ、挨拶もしたことだしレイアも待っているからあっちへ行きましょう」
あらら、止められちゃった。
さすがにお子様とはいえ初めて会った子の髪を触るのはダメか。
と言うことは尻尾までの道のりは長そうだ。
………アレ? でも殿下はいきなりお姫様抱っこだったような…………
結果から言うと私は双子にめちゃくちゃ気に入られた。
二人が帰るときには
「イヤ〜〜〜私もっとフローラと一緒にいたい! 」
「フローラ、僕と離れるの? 」
二人がめっちゃウルウルした瞳で見つめてくる。
や、やめてくれ〜〜〜
そんな瞳で見つめられたら、私、私は…………
「わ、私だって、二人とさよならしたくないけど! でも、もうお家に帰る時間でしょ? シンシア様を困らせちゃダメだよ………。でも! また絶対遊ぼうね! 私たちお友達だよね?!」
私も精神が年齢に引きづられまくって、半泣きだ。
「「うん! また遊ぼうね!!」」
最後にはなんとか笑顔でお別れできた。
初めて出来たお友達はとってもカワイイ双子の子うさぎさん。
私の今世は幸せいっぱいだ!
その頃お城では…………
「兄上………あの、その人形は………兄上の部屋には似合わないような………」
「これか? 天使に似ているだろう? 急いで作らせたんだ」
「兄上…………」
あのクールな兄はどこへ行ってしまったんだろう…………。
こんなにも兄を狂わせる天使は凄え〜と心の底から思うユアン八歳であった。