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子リス転生 〜 前世で英雄の私は可愛いを極める〜  作者: メイリ


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第九十八話 カッパの特技?

 レオナ姫とダイン様の婚約が成立した後、レオナ姫はだいぶ丸くなった。

 あれだけ殿下に付きまとっていたのも、憑き物が落ちたようにさっぱりなくなった。

 まあ、それはダイン様がいるからだけどね。


 レオナ姫とダイン様がどのように話して決めたのか分からないけど、私と殿下には特に迷惑をかけたからとシルフィード国にだけ生えている貴重な薬草と、ダイン様の領地の名産品バナナを手渡され、聞きたくはないかもしれないけどと前置きをされてから、レオナ姫が語った内容はこうだった。


 よくある話だけど、蝶よ花よと大事に育てられ、自由に生きてきたレオナ姫。

 そこにカッコいい殿下が現れたからぜひ仲良くなりたいと思ったが、今まで周りにいた人たちとは違い自分と仲良くしてくれない。

 そうなるとムキになってしまい、追いかけ回してしまっていたと。

 実はそこまで好きなわけではなかったが(結構失礼)、引くに引けなくなってしまっていた時にダイン様が邪魔してきて、最初はイライラしていたそうだ。

 うん、それは見てて分かった。


 でも、ある時からダイン様が自分のことを真剣に考えて注意してくれて、いろいろ教えてくれていることに気付き始めたらしい。

 そこからは一気にダイン様が気になっていったけど、今までの態度のこともあり素直になれずにいたところにダイン様の婚約者の話でパニックになって逃げてしまったらしい。



「今ならどれだけ失礼なことをしていたか理解出来るわ。本当にごめんなさい。ダーくん………じゃなくて! ダインにもいっぱい注意されたから」


 ダーくん………。

 うん………仲が良さそうでよかったよ。


「レオナさんのことはこれからも私がしっかり面倒を見ますので、どうかこれからのレオナさんの頑張りを見てあげて下さい。もしもまたおかしなことをしようとした時は………私がしっかり指導しますので」


 そう言ってダイン様が殿下と私に頭を下げた。

 その横でレオナ姫が「ダーくん! 私、もうしないよー! 」と騒いでいる。

 これはきっとこれからも、ダーくん呼びするんだろうな〜。

 クラスのみんなの驚き面白がる顔が浮かぶよ。




 レオナ姫とダイン様が立ち去った後、私と殿下は気になっていることを話し合った。


「結果、ダイン様がレオナ姫と婚約することになりましたが、ダイン様はそれで本当に良かったんでしょうか? 」


 貴族の婚約だから政略的なものはしょうがないとは思うけど、ダイン様には仮とはいえ婚約者もいたわけだし、何よりレオナ姫のことをどう思っているんだろう?


「そうですね………シルフィード国もかなりの早さでこの婚約を整えましたからね。ダインが拒否する事は実際難しかったはずです」


 と殿下が困った顔で言う。

 そうだよね、国も絡んでくるからダイン様が嫌だったとしても断る事は難しいはず。

 それにダイン様は真面目だからそのまま受け入れてしまっていそうだ。



『モケ〜、大丈夫だと思うモケよ〜』


 どこかに出かけていたモケゾウが急に現れた。

 今日はマサムネとカッパも一緒にいる。


「ん? モケゾウは何か知っているの? 」


『モケ〜、僕と言うか、カッパが聞いたモケ〜』


「カッパが? 」


 私がカッパの方を見て不思議そうな顔をしたらカッパが話し出した。


『カパ! カパカパ〜、カッパッパ。カパー、カパカパ、カパカパ、カパ! 』


「え? どうしよう全然分からない」


 ちょっとしたやり取りなら何となく分かるけど、長い文章は難しすぎる!

 私が困っているとマサムネが通訳してくれた。


『カッパ、それでは主殿には伝わらん。要約すると、カッパがたまに学生の悩み相談を受けていて、その中にあの者もいたと。あの者も姫の事は気に入っているらしい………』



 いろいろマサムネがカッパから聞き出した内容によると、ダイン様の好みはちょっと変わっているらしい。

 言い方はアレだけど、ちょっと手のかかる子がタイプだとか。

 その子が自分を頼ってくれるのが嬉しいらしい。

 まあ、それならダイン様も納得して婚約したってことで良いのかな?


『カパ〜、カパカパ〜』


『納得というか、本人も望んでたらしいぞ』


「そっか、じゃあ何も問題はないのね。ところでカッパ、いつからそんなお悩み相談みたいなことしていたの? 会話が成立するのか不思議なところなんだけど。もしかして、マサムネも一緒? 」


 そう聞いたら、カッパ一人でやっているとのこと。

 なんとなく悩んでいそうな子のところに行って、カパ〜って話しかけるとみんないろいろ話し出すとか。

 それに対してカッパが一生懸命カパカパ言うと、みんな何故か納得して満足気に去って行くとか。


「え? 魔法か何かなの? 」


『カッパにそんな魔法は使えないモケから、完全にカッパの話術モケね〜』


 話術とは?

 カッパのお悩み相談は、実は学生だけではなかったということが後ほど判明したが、それはまた別のお話。


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