義理の母からの贈り物
私がオモチャを買うと激怒する妻。
でも義母が買うと笑顔で子どもに渡す妻。
この差はいったい…………
子どもはオモチャをねだるのが仕事である。
しかしそれに応えるのは実に至難の業である。特にソレを知らない人からしたら…………
「安かったから買ってきたよー♪」
妻の母が息子にヒーロー戦隊のオモチャを買ってきてくれた。ラムネ菓子入りのよくあるオモチャだ。箱の表面には格好良いロボが描かれている。
「おばあちゃんにお礼は?」
「ばぁばありがとー!」
「すみません、ありがとうございます」
そして、私はその箱を一目見て頭を悩ませた。
【組み立て式 リュウ〇ウ〇プチューン】
まあ、組み立て式なのはまだ良い。問題は次である。
【『1』『2』『3』『4』を組み合わせると完成するぞ!】
箱には『2』と書かれている。つまり後三つ無いと箱に書かれている格好良いロボは完成しない。
「開けてー」と速やかに仕事に取り掛かろうとする息子。うむ、気持ちは分かる。が、私は酷く困った。
仕方ないので「帰ってからね?」とその場はお茶を濁した。
そして帰宅後、息子は腕だけのロボで遊ぶ事となった…………。
その前も仮〇ライダーのソフビ人形を買ってもらったのだが、そのキャラが古い。私が知る限り四つか五つ前のライダーなのだ。
義母は「これだけ少なかったから人気あるんだねぇ」と。
お義母さん、それは人気が無いから入荷数が少ないだけなのでは…………?
更に前には戦隊もののソフビ人形を買ってもらったのだが、何故か主役の奴等では無くてショッカー的な雑魚キャラを買ってきたのだ。
どうやら義母の中では全て同じらしい。確かに私もAKBとかアイドルとか見分けが付かないが、調べることくらいはする。
…………しかし義母はスマホを持っていない。仕方ないね。
「ばあちゃんに買ってもらった!!」
笑顔で雑魚キャラを振り回す息子を見て、私はその時は考えるのを止めたが次々と切ない贈り物が続くので、言いたくても言えないモヤモヤが積もっている。
お義母さん、いつまでもお元気で。