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同じ境遇の人と出会うと安心するね

ここで前回の話にでてきたあの人物が出てきます。ようやく話が進みそうになってきました。


ちなみに、セリフが多いのは羅美のADHDの特徴である「話し出したら止まらない」ことを表現するためです。


カクヨムにも投稿してあります。

「すみません、ルドットさんいらっしゃいます?」

「なんだ、俺がルドットだが、お前さん弥生に似てるな。」

さっき見た豚の鼻の男だった。弥生というのは先程レニアンの母が話していた人物の事だろうか。とりあえず1から説明することにしてみた。

「えっと、あたし日本っていう国の大阪府ってとこに住んでて、生きるのに疲れて死のう思って工場から飛び降りてん。そんときに、人の声が聞こえたねんけどさ、何を言ってたかまてまは覚えてなくて、あ、それでなんか気がついたらここにおってん!なんかルドットさんに聞いたらわけが分かるかもしれんてレニアンっていう兎の耳生えた女の人に言われて来てんけど、あたしなんでここにおるん…?」

お前さん話がバラバラでどれから答えたらいいのかわからん。そう言われてしまったが、ルドットは話し始めた。弥生という少女も同じく日本という国から来た、そして死のうとしたらここに居たが、ルドットが金もないなら生活も出来ないだろうからと雇ったと。しかし五年ほどしてから弥生は親切にしてくれる街の人を脅かす魔獣を倒すため、魔女との契約を無くすために魔女を倒す旅に出たという。弥生は時々街に戻ってきて武器屋に行くことがあり、しかし来るのは不定期でどこに住まいがあるのかもわからないから連絡がとれないらしい。

弥生を探そう。そう思った羅美は街の地図を貰い、丸一日かけて街ゆく人に弥生という女を知らないかと聞き続けた。外は暗くなってきて、時間もわからないが人はほとんど居なくなっていた。やはり夜は魔獣が街にも出るのだろうか。不安に思い羅美はルドットの所へ戻ろうと思ったが、地図の読めない羅美は迷子になってしまい、気がつけば港に着いていた。どうやらこの街は海沿いにあり、周囲を森で囲まれているらしい。ルドットから護身用に渡されたサバイバルナイフをいつでも出せるように握りしめ、船の中に入らせてもらい仮眠をとる事にした。


ぼんやりと目が覚めてきた時に、耳に入る獣の呻く声が意識をハッキリさせた。やばい、やばいやばいやばい、どう考えても今日街の人々から得た情報だけを頼りに考えると、近くに魔獣がいる。咄嗟にサバイバルナイフを取り出し、周囲をゆっくりと、しかしじっくりと、見渡してみる。何もいない。しかし呻き声はまだ聞こえている。それに、どんどんと近くなってくる。こんなナイフ1本で倒せるのか?いや、でもゲームで初期の練習モードはちっぽけな武器1つでデカい敵を倒せるし、そう思って船から降り、森に背を向け海の方を見た時、背後から何かが走ってくる音が聞こえた、振り返るとすぐ目の前までケルベロス並にデカいが頭は1つの、赤く目を光らした犬のようなものが大口開けて飛びついてくる。ああ、殺られる。そう思ったがもともと羅美は死のうとしていた、こんな訳の分からない世界に飛ばされて生かされるくらいなら少しくらい痛くてもいいから死んでしまいたいと思って目を閉じた。

風を切る音がした。そして、グシャっと。痛みも何もなく、恐る恐る目を開けると長い矢が刺さり、くぅーんくぅーんと微かな息をした魔獣がダラダラと血を流し倒れていた。なんなんだ、この、状況は…。

「おい、お前大丈夫か?!」

振り向くと弓矢を背負った女の人が立っていた。今日話しかけた街の人にはこんな人はいなかった。とりあえず命を救われた、死にたかったからなんとも言えない気分だがお礼は言わないと行けないと思った。

「あ、ありがとう…あの、名前を聞いてもいいですか?」

女の人は羅美の持っているサバイバルナイフを見て鼻で笑った。

「それで魔獣は倒せない。弥生がいなかったらあんた死んでたね!でもちゃんとお礼を言える人はいい人だよ!よかったよかった探してた人物が目の前で死ななくて。」

弥生、弥生?!この人が弥生だったのか、しかし、探してた人物とはどういうことか?羅美は弥生を探していたが、弥生は羅美がこの世界に来ている事を知っているはずもないのに何故探してたのだろうか。あたしは17歳で高校2年生。弥生の見た目はあたしとあまり変わらない。

「弥生さん?探してたんよ!ルドットからあたしと同じ感じでこの世界に来た人がおるって聞いて、元の世界に戻るか死にきれる方法知ってんちゃうかなって思って!ところで、何歳?あたし17歳の結島羅美って言うねん!」

少し考え込んだ弥生はこう答えた。私が仲間を召喚しようとしたからではないか?と。召喚?!弥生は魔法使いか何かなのか?!パニックになっていたら弥生が話し始めた。

「召喚といっても、この街の術士に教えてもらった素人でもできるものだ。仲間が必要だったのは、最近の魔獣の量じゃ1人では皆を守りきれないと思ったからだ。しかし、こんなひょろっこい女の子が来るとは…私と同じ歳じゃないか。」

そういわれても、呼び出したけど思ってたものとは違うかったのなら帰してくれと思ったが、そうはいかなそうだった。弥生は行くぞといい歩き始めてしまった。

「あ、あの、どこ行くん?あたし帰りたいだけやねん、それか死にきられへんかったから天国でも地獄でもいい、送ってくれや!」

弥生は無言で歩き続ける。少し街に近づいたところで初めて自分のいるべき世界にあった物を見た。原付…?

「カブだ。50ccのものだが、この世界で二人乗りした所で捕まりはしない。さ、私の住処に行きこれからの話をするぞ。」

カブ…この世界で新聞配達でもしてたのか?とりあえずバイクの後ろに乗ったことなんて無いからと乗り方を教えてもらったがそもそも二人乗りする仕様になってないから半端なくお尻が痛い。これから弥生の住処に行って、あたしどうなるの?

次回、弥生がこれから2人でどのようにして魔獣退治をしていくのか一方的に話続けられますが、羅美は人に流されやすく、躁鬱でもあり、これまではパニックで鬱状態になってませんでしたが、魔獣退治というゲームの世界のような話をされ躁状態になってしまい、とにかくまずは鍛える所からと思ったんですが、突然のバッドタイムに入り「こんな障害者が魔獣退治なんて」と鬱状態になってしまったり、しかし弥生は呆れずに体力作りのスケジュールを作ってくれたり、ご飯も炊けない羅美に変わり料理を作ってくれたりと、優しくしてくれていた。

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