表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/61

市場にて④

「こんな所で立ち話も無粋なので、そこの軽食屋でビールでも飲みながら話しませんか?」


「そうだなバシリー。ジル行くぞ」


 ジルはハイネに手首を掴まれ、近くの店に引きずるように連れて行かれる。

 マルゴットの方を念を込めて見つめると、彼女はジルの願いを察した様で、馬車の方向へ走っていた。



「アンタここで何やってた?」


 年期を感じさせる店内は、温かな雰囲気なのに、ハイネとバシリーに尋問されるかの様に二対一の構図でテーブルを囲む事になり、非常に居心地が悪い。


「それは……えっと……」


「バシリーも知らないって事は無断で外出したのか?」


「はい……」


「協力者の名前は? アンタとあの侍女の2人だけで抜け出せるとは思えない」


「……」


「言えないの? さっきアンタの侍女が走って行ったけど、その先に協力者がいたんだろ?」


「あ! そう言われてみるとそうですね! クソ! あの女!」


 バシリーはハッとした表情で立ち上がり、拳を握りしめた。


「お前あれで気づかないって、相当酷いぞ……」


「申し訳ありません! すぐ追いかけます!」


 ハイネに冷たい目で見つめられたバシリーは顔色を無くし、店を出て行った。

「何か注文しよう。昼時だし」



 バシリーがいなくなる事で、余計に気まずくなるかと思ったが、ハイネが店主に適当に注文を始めた事で少しだけ拍子抜けした。


「ハイネ様はこういう店にも来られますのね?」


「ああ。市場価格のチェックに来てた。どこかで買い占める奴がいると、値段が吊り上がったりするから、見てると色々気付けてわりと面白い」


「ご自分の目で見て見ないと気が済まないのです?」


「上がって来る書類だけで判断しても視野が狭くなるからな。時々現場に出向いて生の動きを見るんだよ」

ブクマ・評価(最新話のページ下)・レビューお待ちしてます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ