初めての恋
生まれながらにして檻の中で暮らしてた。それは、その後も変わらないのだろう。
出される、不味い飯を食って、寝て、主人の機嫌とって、食って、寝て。そんな人生を送ってきた。
狭い世界俺は、この世界しか知らなかった。移り変わる不思議な絵、とてもきれいに見えた。
そんな生活を始めて何年になるだろうか。ある日、新人が入ってきた。
その体は、多くのけがで見るにたえなかった。主人はそいつをどうする気だろう。
「ほら、新しい家族だよろしくしてやってくれ」
「ご主人、そんなことより、ご飯をおくれ」
「ああ、そうだ新しい服もあるんだ、気に入るかな?」
「ご飯を・・・・いいや、もう寝よう」
新人の看病に頭がいっぱいなのだな。
新人は女らしい。女というものを知らないが、なんだか年甲斐もなく心臓が高鳴ってる。
子供のころの好奇心のように。
女は教えてくれた、「そとのせかい」からやってきたのだと。
「そとのせかい」はいいところらしい、でももう勘弁だともいっていたな。
不思議な絵の向こうは「そとのせかい」らしい。
案内を頼んだら、良いと了承してくれた。女は「デートですね」と茶化してきた。
「よせよ、『そとのせかい』をみるだけだ」
女はにやにやしながら、また明日といって寝た。
そうか、好きって感情が初めてわかったぞ。ご主人も好きであるが、それとは違うらしい。
ああ、寝顔がかわいい。そんなことを思いながら、寝ることにした。
最近は疲れるようになってきて、すぐに寝れるようになっていた。
明日が楽しみだ。そう思いながら死んだように眠った。




