病院
前作の商人ですが、別作品としてもう一度構成から作り直そうと思います。ので、しばらく商人のほうは更新しません。申し訳ございません。
「ねえ、俺のこと好きなの?」
一週間前、ついにばれてしまった恋心。このまま、押し通せばよかったのに・・・
「はぁ~、どうしよう。せっかくのチャンスだったのに~」
初めての失恋だった私には、限りなく世界の終わりが訪れてもいいと思うくらいに落ち込んでいた。
「じゃあ、告白すればいいんじゃない?そんなに好きなら」
「そう簡単に言うけどさー、絶対変に思われちゃうって」
正論なのはわかってるけど、どうしても恥ずかしさが道をじゃましてしまう。あと、たったの一言なのに、それがいえない。これ以上にどうしようもない、この気持ちをどこにもやれずにムカムカしている。
「もう一回、行きなよ。好きなんでしょ」
「でも・・・」
「でもじゃないでしょ?ほかの子に取られてもいいの?」
「よくないけど、一度断ったのに今更なんて」
そうやってなんでも、先送りにしてきた、その癖責任とか何も知らないでいた。それが、私の生き方だったから。
「行ってくるよ、頑張ってくる」
「行ってらっしゃい、頑張ってね」
彼を探して、廊下を夢中で走った。階段を登り切り彼を見つけた。
「優音!」
ほっとした私は、ふいに崩れ落ちる。それが階段の上なのを忘れて。
目を開けるとそこには見知らぬ天井がうつる。両親の声がする。私は一週間近く寝ていたらしい。その間、ずっと優音の名前をつぶやいていたらしい。ああ、ほんとに好きだったんだな私。
優音は何度もお見舞いにきてくれていたらしい。こんな身体じゃ会いに行けないよ。下半身に全く感覚がなく、一生治らないといわれた。それでも、好きだと伝えたかった。
何もすることがなく、病室でぼーっとしていたとき、突然ドアが開いた。そっちのほうに目をやると、優音がたっていた。
「長谷部!」その時、涙があふれて止まらなくなった。今まで以上に幸福だったことがあっただろうか。私は、涙をぬぐって駆け寄ろうとした。
「優音!好きだ!優音のことがすきだ!」
私は今も幸せです。これまでにないくらいにです。




