メール
どこにでもいる男子高校生のちょっとありきたりじゃないどこにでもある物語。
友達もゼロ彼女も生まれてこの方できたことがない。
そんな自分に初めてのラブレターが届いたのは5年前。
当時のクラスメイトのいたずら。そんなことも知らずにラブレター片手に校舎裏に向かった。
「やっば、まじできやがったぜ、あいつ」
「どうしておまえらがいるんだ?」
目の前の情景に真っ白になる
「そりゃ、それを書いたのはおれたちだからなぁ」
「「なぁ~」」
なにがなんだかわからなくなる
「で、まじで告白でもされると思ってたの?きっも。てめぇなんかがされるわけねぇだろ?」
それより後のの記憶はもうない、それ以来引きこもりになってしまった。
学校にも行かず、寝ては起きてのごくつぶしの毎日だ。
いつも通り、ネットサーフィンをしてると、一通のメールが来ていた。
送り主も件名もなく、ただ、「校舎裏で」、とだけ書かれていた。嫌悪感を覚えた俺は、すぐにそのメールをゴミ箱に捨てた。
しかし、瞬きする間にデスクトップに出てきている。
「まだ、目を背けるの?」
新しく文が増えているように思えて、その文に違和感を覚えた俺は、吐き気をもよおす。
思わず、トイレに駆け込み吐き続けた。
忘れていることがまだある、そう確信した俺は返信しようと部屋に戻った。
「大丈夫?」
どんどんと書かれるメールに目を背けて眠りにつきたいそう思いながらも、メールに返信をした。
「あなたは誰ですか?」
「それより大丈夫?思いっきり吐いちゃったみたいだけど?」
「なんで知ってるの?」
「だって、そばにいるもの」
思わず振り返ったが誰もいかなかった。
「ダメダメ、今はわけあって会えないのだから、我慢して?」
「校舎裏に?」
「そう、そこで待ってるから、また明日ね」
それ以降返事はなかった。