戦闘開始
「ケンッ!!」
「ワメキナガラシネ。グ、ジャマスルナ…シン逃げてくれ頼むか…ダマレッ!!」
ケンは急に俯くと両手を広げそれぞれに光と闇の様な塊を生み出し飛ばしてくる。剣で弾き返そうとするが予想以上に重い。やはりスキルの力に頼るしかないか。
「《ハリケーン》、《サウザントスラッシュ》!!」
ハリケーンで威力が増した二刀流のスキルが炸裂する。が人間とは思えない動きで一瞬で切り付けた千の斬撃が防がれる。いや何発かは命中しているが到底ケンを止めるには足りない。
「ナカナカヤルナ。デモオマエハシヌ。」
ケンの周りに炎、氷、風、光、闇の塊が現れケンの腕の動きに従ってこちらに飛んでくる。剣で切り裂くも一つを防ぎきれずに吹き飛ばされる。
「ぐっ!!やばい強い。こんなの一人じゃ無理だ。」
「一人ではないぞ、シン。」
「エルズさん!!なぜここに?」
「それは後だ。まずは奴だ。お前が引き付けろ。俺が最大威力の技を叩き込む。」
「わかりました。」
「グル?マタニンゲンカ、ショウガナイ。《魔装》」
ケンの周りに漂っていた漆黒の光が腕に集まり刀の様な者が出来上がる。
「ナンバー56 闇焔 」
なんだか急に人間らしくなった。刀を構えこちらに飛び掛かってくる。さっきまでの獣染みた動きではなくなめらかな動きだ。そして何よりさっきとは比べ物にならないぐらいに早い。もう防ぐだけで精いっぱいだ。
ズガガガガガガッガガガッガガガッガッガッガガガガガガガン!!
切り払いで距離を取るも無意味。
「シン、避けろ。」
「えっ?」
横に飛び抜けるとエルズさんがすでにケンの後ろに立っていた。
「《疾風迅雷》」
ケンに無数の剣の軌跡が刻まれている。
「グアアアアアアアアアアアアア。」
ケンは倒れた。