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スラリンと初心者講習

森でオークを探して三十分経ったがいまだにオークは見つからない。受付の人は森に行けばすぐにいるって言ってたが全然見つからない。出会うのはスライムだけ。いいかげん飽きてきた。


「キュルァァァァ」


「野兎か。あっちだな。」


声のしたほうに歩くと少し開けた場所で野兎とスライムが戦っていた。戦闘力は野兎の方が上だからやられていたのだろうか。スライムはもうボロボロだった。すると俺に気が付いたのか俺の後ろに隠れた。


「ええええ、結局俺が倒すのかよ。モンスター同士の戦いとか見てみたかったのに。」


「キュラッァァァァ!!」


獲物を守られたからか野兎は怒っているようだ。めんどくさい。一撃で決めるか。


「ふぅ、《居合切り》」


飛んできた野兎を一撃で倒すと後ろのスライムの事が気になった。とりあえず攻撃はしてこない様だ。


「これはあれだな、仲間になりたそうな目で見ていますってやつだな?」


…反応なし。う、うん。わかってたよ?そんなことぐらい。…どうしよう。


「とりあえずおまえ俺といっしょに来るか?」


「プルン」


そういって揺れると俺の肩に上ってきた。とりあえず仲間ができた。スライムだけど一人よりはましだ。こいつよく見たら目があるな。


「おまえの名前どうする?スライムだから…スラリンなんてどうだ?」


「プルン」


「それってYESなのか?・・・そうだよな、うん。今日からおまえはスラリンだ。」


こうしてると子供のころに飼ってたペットを思いだすな。


ガサリ


「誰だ!!」


「ブフゥゥゥ」


やっとオークのお出ましか。意外とでかい。2mぐらいはあるぞ。しかも棍棒みたいなのを持ってるし。

剣を構える。出方のわからない敵にいきなり居合切りは危険すぎる。


「ブフゥゥゥゥゥ!!」


どうやらこちらを完全に敵として認識したようだ。棍棒を構えて突撃してきた意外と知能は低そうだ。


「《連続切り》」


カンっカンカンカカン!!なに!?全部弾かれた!?やばい強いぞ。いったんスラリンを木の裏に隠す。

ジャンプ切りでもやってみるか。


「はぁっ、せいっ!!」


見事に肩口に切り込みを入れられた。意外とちょろいな。これなら楽勝だな。また突撃か?

突撃してきたタイミングでパリィと天牙を連続で発動するか。


「3、2、1、ここだ!!《パリィ》、《天牙》!!」


キィン!パリィが成功し天牙の怒涛の八連撃が叩き込まれる。ズガガガガガガ、最後の一撃は突きだ。オークの体に突きが決まった瞬間天からオークに光が落ちてきてオークが吹っ飛ばされた。


「やったか?」


オークはもう動くことはなかった。オークの死体とスラリンを回収して切り株に腰掛ける。


「はぁー、疲れた。やっぱYランクは違うな。めちゃくちゃ強い。これから講習とかつらい。でも行かなきゃダメだよな。しょうがない、スラリン行くか。」


「プルン」


「おまえも喋れたらいいのにな。」


スラリンは喋らないけど結構癒しになるな。さてグリタスの街に戻るか。


                         ☨


門が見えてきた。そういえば幾つぐらいレベル上がったんだろう?スライム数匹とオークだし結構上がってそうだな。そうこうしているうちに門につく。


「おぉ、シンか。通っていい…ん?肩に乗ってるのはなんだ?」


「スライムなんですけど襲われていたのを助けたら懐かれちゃって。」


「モンスターに懐かれるなんて珍しいな。おまえはスライムテイマーだな。そうだそのスライムを街に入れるつもりならこの用紙に必要事項を記録してくれ。」


「はぁ」


意外と異世界でも書類は多いようだ。よしこれでいいか。


「よし、これでオッケーだ。おまえのマジックカードにも記録されたぞ。通っていいぞ。」


「ありがとう。」


ギルドに報告するとランクがYに上がった。頭の中でてれれれってってってーとあの音楽が流れた気がした。


「初心者講習はあっちの広場で行われますよ。」


行ってみると結構人がいるな。15人ぐらいか?


「おーい、おまえらが今回の講習生だな。俺は教官のエルズだ。これから一週間よろしくな。」


教官のエルズさんはかなりごつい。…ん?一週間!?


「えぇっ!!一週間も?」


俺の発言を筆頭に周りからも不満の声が漏れる。


「長すぎるだろ。」「一週間はちょっと…」「生活資金が…」


「この講習を受けたくない奴は帰っていいぞ。しかし初心者講習を受けたものは死亡率がぐっと低くなる。自分で選べ。」


その言葉を受けばが静まり返る。この状況で帰る勇者はいないようだ。


「よし帰る者はいないな。これより初心者講習をはじめる。」


そして地獄の初心者講習が始まった。

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