アルドノアワールド
ウィーン
かれこれ10分ぐらいこのエレベーターに乗っているがなかなか着かない。 エレベーターの中には階表示の様な物はなくただただ作動音が響くだけ。 もしかして騙されたんじゃないだろうか。このまま地下を進みながら老いていく。
こんな感じで死ぬのだけは嫌だ。
そんな事を考え始めた矢先 チーン と音が響いた。
「おおぉ。どこだここ。」
エレベーターから出たところには草原が広がっていた。かなり先には街の様な物も見える。
「おぉっと危ないリュック忘れるとこだった。スマホとかも入ってるのに。 …え?」
振り向くとエレベーターはどこにもなくただ草原が広がっていた。
冷や汗が流れ落ちる。スマホ無しの生活?何?ニートの俺はあれがないと死んじゃうよ?
「…とりあえず街まで行くか。」
☨
「ハァ、ハァ、どんだけ遠いんだよ。鬼畜だろ。よし行くか。」
「待ってください!!」
「えっ?誰?」
「私は創造主?うん、創造主です。」
「なぜに疑問形?まぁいいや。所で何なんだよ。」
「え?驚かないんですか?」
「こんだけ色々あったらこの程度の事じゃ驚かないよ。」
「そうですか…じゃあ説明しますね。」
「この世界はアルドノアワールド。十八年後に破滅します。」
「そうですか…ん?俺がこの世界にいるのって何年だっけ?」
「二十年です。」
「つまり死ねという事ですね。じゃあお望み通り死んできま…「違いますよ。」
「この世界は自然界と魔族界に分かれていて、今は均衡を保っていますが徐々に魔族側に押されていき、魔族界に十七年後に魔王が復活し十八年後にはこの世界は
三神によって滅ぼされます。 そこであなたにこの世界を救ってほしいんです。」
「救うって俺ただの人だぞ。ニートだし。」
「そこであなたに力を授けるんですよ。頭の中でメニューと念じてください。」
すると目の前に半透明の板の様な物が現れた。そこには様々な項目があった。
「今あなたの前にメニューが開いていると思います。その中の装備の欄を選択してください。」
「なんかどっかで見たような画面が出てきたぞ。」
「ニートのあなたなら装備するぐらいできますよね?」
「まあなんとなくわかるけど扱いひどいな。」
*一五分後*
「…つまりこの世界でモンスターを倒し、レベルを上げ、スキルを鍛え、装備を作り、不満があれば日記に書き、十八年後の滅亡までに世界を変えればいいんだな?。」
「まあざっくりいえばそんな感じですね。最後にこの地図を授けます。」
「ありがとう。この剣のマークはなんだ?。」
「この世界には現存している三神以外にも過去の神がいました。その魂を封印した神ノ剣という物のありかです。それ無しには魔族界の敵とは戦えません。」
「そうか。色々教えてくれてありがとな。」
「どうかこの世界に絶望しないでください。」
「え?」
「っ!!何でもありませんっ!!」
「どうい…っ!!お前消えかけてるぞっ!!」
「あぁ、タイムリミットの様ですね。あと日記は毎日書いてくださいね。」
そして創造主(自称)は消えた。
最後の言葉はなんだったんだろう。
☨
「はぁ~。危うく口を滑らすとこだった。このエンドレスゲームについて」