2話
一方その頃、中山家では…。
「うおおおおおおお。なんで起こしてくれなかったんだよ、母さん!!」
とても騒がしい一日が始まっていた。
「起こしたわよ。でもあんたなんかい起こしても起きなかったじゃない。」
「知らんわっ!ああああ、もういい食パン食べて学校行く!間に合わん!」
食パンにかじりつき一気に水で流し込んだ。
「もう少しゆっくり食べられんのか?お前ってやつは」
呆れた口調で父さんが言った。
「ふごふごごふご」
「口に物を入れて食べないの!」
「・・ゴクッ。じゃあ行ってきます。」
「いってらっしゃい!お兄ちゃん!!」
「おう。行ってくるよ、優奈。」
こうして中山家の騒がしい朝が終わった。
「おはよう陸!!」
「……。」
「無視するな。丸山陸!!」
「お…朝から元気だな!美咲。」
後ろから声が聞こえたと思えば陸の幼馴染の美咲だ。
「元気なのは陸もでしょう。ほんと陸って面白いんだから」
「そうか…まぁありがと美咲」
陸が美咲の頭をグシャグシャに撫でながらつぶやくように言った。
「~/// ッ別にほめたわけじゃないんだからね。髪がグシャグシャになるから早く話してよ!」
「おう。悪かったな」
陸のまぶしい笑顔に美咲は頬を染めた。
「ん…?どうした?」
「なんでもないわよ。それよりもう学校着いたね。…あ・あの二人は…」
美咲がある二人組を見つけた
「どうした…?あの顔がそっくりな二人か?誰だあいつら??」
すると美咲は驚いた顔をした。
「え~!知らないの!?同じ学年なのに!」
「そんなに意外だったか。ってかあいつらそんなに有名なの?」
美咲は呆れた顔をして陸を見た。
「この学年であの二人を知らない人はいないわよ。左側のツインテールの子が佐藤葵。
右側の一つくくりの子が佐藤凛。顔はそっくりだけど、中身は正反対なのよww
葵って子は明るくて元気でよく笑う子なんだけど、凛って子はほとんど一人でいるしあんまり人と関わりたくないのか知らないけど、休み時間はほぼ一人で全然笑わないらしいよ。なんかみんなに心を閉ざしているっていうか…あ、でも妹には心を開いているみたいだよ。もっと言ったら、妹しかいないってまあこんな所かな二人の性格とかは」
陸は少し考えた顔をして小声で「佐藤凛か…」といった。
「何か言った?」
「いや別に…」
美咲は首をかしげていた。すると陸が口を開いた。
「そういや、佐藤凛ってやつ今思えば俺の隣だった。HAHAHAHA」
「隣の人なのに名前覚えてないってどういうことよ!!」
校門前で陸と美咲の声が響いていた。