1話
ジリリリリ ジリリリリ
部屋の中に鳴り響く目覚まし時計に起こされ凛は起きた。
「・・ぅぅ・・・・ん」
布団から手を伸ばし、目覚まし時計を止めようとする。その時、
バタバタバタ 目覚まし時計の横にある大量の本が凛の手にあたって、落ちてしまった。部屋にはいたる所に本がおかれている。
『小説家になるためのガイドブック』『小説の書き方』 『ロミオをとジュリエット』『ハムレット』『テンペスト』
などの本がたくさんある。
「…いたた…。もう起きなくちゃ。ご飯作らないといけないし…。」
凛は、はんてんを羽織りリビングへ行った。
「今日は、目玉焼きとご飯に味噌汁でいいかな。」
いそいそと調理している凛の後ろから声が聞こえた。
「お姉ちゃんおはよう。母さんまた、いないの?」
妹の葵だ。
「葵おはよう。母さんはもう仕事に行ったよ。あと今日もかえり遅いらしいから。」
ご飯を茶碗に入れながら言った。
「え~。またか…ここ最近母さんに会ってないよ~。母さんに会いたいな。」
「コラ。わがまま言わないの。母さんだって仕事で忙しいんだよ。わがまま言っちゃダメ。それに私たちもう高校2年だし、会いたいとか子供っぽいこと言わないの」
ご飯をテーブルに置いた
「は~い…。そういうお姉ちゃんはさみしくないの?」
「さみしくないよ。私にはかわいい妹がいますからね♪」
「お姉ちゃんそんなこと言わないでよ///妹って言っても同い年なんだからあまり妹扱いしないでよねっ!」
葵は少しむくれあがった。
「はいはい。でも私のほうが先に生まれたよ。ふふっ」
凛は口に手を当てた。
「うぅ・・。そうだけど・・・。」
葵は困って言葉が詰まってしまった。
「まぁ、食べようか葵。」
「ごちそうさまでした~。お姉ちゃんの作るご飯はおいしいね。」
「そんなことないよ///」
その時葵の目が少し鋭くなった。
「ねぇ、お姉ちゃん…。なんで私の前ではそんなに笑うのに学校では笑わないの…?」
その問いに凛が少し暗くなった
「…。」
「あ…ごめん。変なこと言って…。気にしないで。あ…もうこんな時間だし学校行こう!」
「う…うん。行こうか。」
そういって、玄関へ二人は向かった。