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王楽記―おうがくきー  作者: 上平英
幼少期
9/21

第8話 騎士たちとの訓練で

さらにさらに2年が経って、俺は8歳になったよ!


俺! マジ幸せ!!


すべてが順調だよ。


眼鏡メイドさんにも魔法を教えてもらい始めたし、社交界では女の子達の一番に人気だし、城中の美人のお姉さんにも好かれているからね


マジで順調!!


「トール様。本日からは城の訓練場にて剣術を習ってもらいます」


勉強担当の眼鏡メイドさんが、子供用の鎧を持って俺を呼びに来た。


すぐに鎧を着せられ、眼鏡メイドさんの後ろについて訓練場に向う。





訓練場はとても広く地面は緑色の芝生が植えてあった。


そこには、鎧を着たムサイ男達がいて素振りをしたり、試合をしたりと鍛錬をしていた。


俺が、眼鏡メイドさんに連れられて入ってくると、隊長格だろう男が「やめっ!!」と号令をかけ、気をつけをさせる。


隊長格である男が俺の前に肩膝を着き話し始める。


「私は、アーサー・ウエルドと申します! 本日から王子の剣術の訓練を担当します!」


男はハキハキと話し、最後に頭を下げた。


「僕は、トール・ウェリス・アルアドネ。これからよろしくおねがいします」


教師がムサイ男なのは嫌だったが、顔にも声にも出さずに笑顔で挨拶をかわす。


「さっそくですが、模擬戦を行い王子がどの程度動けるのか見たいと思います。よろしいでしょうか?」


「うんっ!」


くそっ! 返事はしたが、なんでいきなり模擬戦なんだよ!?


俺は剣を持つのも初めてで、しかもまだお子様なんだぞ!?


コイツ俺になんか恨みでもあんのか!?


「これを、お使いください」


ムサ男は小さな木剣を俺に渡してきた・・・・・はぁ!?


何であいつ普通のサイズの木剣を使おうとしてんの!?


「では、始めましょうか?」


「・・・・・・うん・・・」


仕方が無いか・・・まあ、当然手加減してくれるよね!?






審判を努める騎士が開始の合図を叫び模擬戦が始まる。


ムサ男は、木剣を真横に振りかぶり、俺の木剣に思いっきり(・・・・・)叩きつけた。


「いったーーーい・・・!!」


腕が弾かれ、後に下がらされる。


「うわっ!? うわわっ!!」


ムサ男は痛がる俺に怒涛の攻めで向ってくるっ!! こいつマジで俺に恨み持ってるんじゃねえのか!?


俺は、剣筋を完璧に見切り(・・・・・・・・・)大げさに避ける。


眼鏡メイドさんが心配そうオロオロとしているのが見えた。


うーん・・・チートで身体能力が上がっているから、倒そうと思えば簡単に倒せるが・・・倒したらマズイよな?


俺は、泣きながら木剣を放り出し、眼鏡メイドさんの元へ駆け寄り、胸にダイブした。


ああー・・・気持ちいい・・・っと、泣きまねしないと。


「ウエルド様っ!! これはいくらなんでもやりすぎではありませんか!!?」


眼鏡メイドさんが俺を抱きしめて、ムサ男に抗議する。


「いやぁ・・・その・・・」


チラリとムサ男の顔を覗くと、バツの悪そうな顔をしながら動揺している。


「トール様っ!? どうされたんですか!!」


丁度その時、訓練場の入り口から女騎士達が入ってきて、俺が泣いているのに気づき、駆け寄ってくる。


女騎士達は騒ぎ出し、前に護衛してくれたポニーテールの女騎士がムサ男に詰め寄り、怒り出す。


会話の内容を聞くところから、親子だったみたいだ。


ムサ男の顔から察するに、娘を惑わす俺に釘を打つつもりだったようだ。


さっきの、虐待まがいの訓練は俺に対する警告か・・・。


よっぽど娘が可愛いのだろうが・・・・俺が普通の王子だったら、お前の首をねていたところだぞ?


「トール様。申し訳ありません・・・あまりに私の剣が当たらないものでついっ・・・」


ついっ、じゃねえよ!


俺は、しばらく眼鏡メイドの胸を味わった後。


泣きながらムサ男に話し出す。


「いっ・・いいよっ・・・逃げた僕がっ・・・悪いんだから・・・ごめんなさい・・・」


ムサ男が全面的に悪いのに俺は、自分に非があるように謝る。


「うっ・・・」


ムサ男が眼鏡メイドと女騎士達から殺気を含んだ視線で見られ、青い顔をしている・・・ざまぁみろ。


「父が迷惑をかけてしまいました・・・トール様・・・申し訳ありません」


ポニーテールの女騎士まで謝ってきた。


俺は、ポニーテールの女騎士に笑顔を向けて「大丈夫だよ」と健気な子供を演じる。


それからは、ムサ男達に代わり、女騎士達が優しく教えてくれることになった。








今日は、眼鏡メイドさんの胸も味わえたしムサ男から、美人の女騎士達から教えられることになって、いい事ずくめだな。


ポニーテールの女騎士も今回のことで完全に俺サイドに堕ちたから、結果的にムサ男は自分で自分の首を絞めた形になったな。


さてと・・・次は魔法の訓練かな


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