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王楽記―おうがくきー  作者: 上平英
神様との出会い
3/21

第2話 作戦成功ついにやったぜ!チート能力獲得

俺は、再び寝転がり真っ白な天井を見つめている。


今度の俺は、欲望だけではなく心まで満たされたので、最高に非常に気分がいい!


視線を下に向けると、幸せそうに俺の腕に抱かれている美人さん。


ドラマでも言わないような恥ずかしいセリフ延々と使いじっくりと時間をかけたおかげで完全に美人さんをとせた・・・。


いや、この場合は惚れさせたと言うのがいいのか?


「好きです・・・」


美人さんが突然、耳を澄ましていないと聞こえないような小さな声でつぶやいた。


聞こえないように・・・気持が少しでも伝わればいいと思ってつぶやいたのだろが、俺には、はっきりと聞こえていた。


というか、美人さんの澄んだ声を聞き逃すはずが無い。


「俺は、君のことを愛しているよ?」


美人さんを優しく抱きしめる。


「えっ・・あっ・・・うぅ・・」


美人さんのが混乱しながらも抱きついてきた。


なんども触っても最高の触り心地だ。


さてと・・・もう一回せ・・・


「いつまでかかっているのだ! 早く仕事に戻らないか!!」


再び唇を奪おうかと思っていたら、どこからか発せられたか不明だが部屋を振るわせるほどの怒鳴り声が、俺達の邪魔をした・・・。


「はっはい! すぐに終わらせます!!」


声からして爺さんみたいだった。


この大声でさっきまでとろけた表情をしていた美人さんが腕の中から飛び起きた・・・まったくもって残念だ・・・。


だが、美人さんの裸体を見やすくなったのは不幸中の幸いだろうな。


「あの~・・・」


美人さんが申し訳なさそうにしゃべり始めた。


「私には、まだまだ仕事があるので、すぐにあなたを転生させて仕事に向わないといけないんです・・・」


神が仕事・・・? ていうかさっきの声は上司? というか・・・いやっ、ツッコミよりもやることがあったな。


「次の世界は今まで住んでいた世界ではなく魔法が使えたり、人間以外の人種がいたり、魔物が存在する世界です」


人外ってことは、エルフとか・・・ネコ耳とかうさ耳とか・・・いい世界だな!


それに、魔法! 魔法だよ!? 転生してよかった!! 超幸運じゃん!!


「嬉しそうですね・・・」


おっと、美人さんが不機嫌になり始めた。


「嬉しい訳があるかっ!!」


ここは、感情をあらわにして怒鳴っておく。


「せっかく・・・せっかく君と知り合えたのに・・・こんなにも早く離れ離れになるなんて・・・」


そうだっ! この体を味わえなくなるなんて・・・!! 


「そこまで私のことを・・・」


美人さんが感動して・・・別れを惜しんで号泣している・・・。


「でもっ・・・私はあなたを転生させないといけないんです・・・」


美人さんはとうとう俺の胸ですすり泣きを始めた。


「なあ・・・俺は転生したら君を忘れないといけないのか?」


美人さんの尻・・・いや背中を落ち着かせるために撫ぜる。


「いっ、いえっ・・・今回はそんなことはしません・・・記憶を消してしまっては、他の魂と変わりませんから・・・グズッ・・・」


つまり、俺は俺のままと言うことだな?


「こんなときに聞くべきではないと思うけど・・・小説とかである転生者の特権とかないの?」


「特権・・・ですか?」


そう! 特権! チート能力!! 当然あるよね?


「特権は・・・というかあなたが初めての転生者なんです・・・」


つまりは前例が無いために無いと・・・?


・・・・・どうしようかな・・・特権がないのなら転生する意味が半減するしな~。


・・・いや!!、これって実はチャンスじゃないのか!?


「なあ、転生後の俺に能力をつける事は出来るか?」


「ある程度なら・・・ですが対価が必要ですよ?」


対価とんのかよ!? う? ちょっと待て。


「転生させるのは初めてなのに、なんでそんなことを知っているんだ?」


「そんなことって?」


「いや、能力を授けるのに対価が必要になるとか? 初めてなんだろう?」


「はい。初めてはあなたに・・・」


美人さんは顔を赤く染め、俺の胸に顔を埋めて喋らなくなった・・・。


やったことは事実だが今はそんなこと聞いてない! というか、お願いだから俺にとって重要な話だからふざけないでっ!!


「なあ? 対価ってどれぐらい必要なんだ?」


美人さんの両肩に手を置き、顔を近づけ、逃げられないようにする。


「それは・・・対価は転生させる神が決めることになっています・・・」


ふっふふふふふ・・・ふっはっはっはっは!!! ヤバイっ! 最高すぎる好条件過ぎる!


「なあ、対価を払うから能力を授けてくれないか?」


「はい。対価を支払えば、どんな能力でも授けれます」


「どんな能力でもいいのか?」


「はい。対価を支払えば・・・」


「だったら、今度の俺には、最強の身体能力と膨大な魔力と魔法を使う才能と武術の才能をくれ・・・あとは、外的要因では死なない能力が欲しい」


「・・・・」


「どうした? 対価を払えればなんでも出来るのだろう?」


「そんなに、欲張るとかなりの対価を支払うことになりますよ?」


「ああ、覚悟のうえだ・・・」


「それでは、対価は・・・」


「ちょっと、待ってくれ!」


美人さんが言い出す前に割り込む。


「対価の希望がある」


「対価の希望ですか・・・? 対価を軽くすることなんか出来ませんよ?」


美人さんの好感度が落ち始めたこの瞬間を狙う!


美人さんの顔を真剣に見つめてゆっくりと、頭に染み渡るように話す。


「俺の対価は、転生した後に死んだ後支払うものだ・・・」


「転生後で出払う?」


「ああ、俺は次の世界で寿命を全うしたら、これ以上の転生は必要ない」


「えっと? 完全なる魂の消滅ですか? でもそれでは足りませんよ? 死んで終わるだけですし・・・というか対価に死なない体が欲しいと言っていたじゃないですか?」


「俺が欲しい対価は、完全な不死ではなく、外的要因に・・・つまり他人や病気では死なない体が欲しいだけだ。あっ、出来れば寿命を人間の2倍にしてくれると嬉しい」


ちゃっかり、要望を追加する。


「それでも、対価としては足りないことに変わりませんよ?」


「なにを勘違いしているか分からないが、俺が支払う対価はまったく違うぞ?」


本当は、美人さんの言いたいことのだいたいは分かっていたけど演出だよねっ。


「じゃあ、なにを支払うんですか? こんなに要望が多いとかなり高くなりますよ?」


美人さんの目を見ながら真摯に、誠実に話す。


「俺が支払うのは・・・死後のすべてだ」


「死後のすべて? なんですかそれは?」


「俺が転生後に寿命で死んだら、俺は人間を捨て君の夫になり君を支えよう・・・」


「・・・それは、あなたにとっての利益にしかなってないような・・・?」


「君の命は・・・寿命は何年だ?」


「? 神には寿命はありませんよ?」


「そうだろう? 結果、俺が君の夫になるということは俺は君が死ぬまで、死ねなくなるということだ」


「それは、嬉しいことじゃないんですか? 不老不死は人間の大半の夢でしょうから」


「その認識は、本当は間違っているんだ・・・不老不死は本当はどんなことよりも辛いことなんだ・・・」


「へっ?」


よしっ! 食らいついた!


「人間にとっては長い時間というのは拷問なんだよ?」


「拷問?」


「ああ、周りから置いていかれ、いずれは1人となる・・・常に孤独で死にたくなっても死ねない・・・どんなに体を痛めつけられても辛いことがあっても、死ねないのは・・・最高の拷問だと思わないか?」


「それは・・・そうですね・・・」


「だろう?」


「・・・・ですがその条件では私が隣にいることになるので孤独になるということはないと思いますが・・・?」


チッ、気づいたか。


「俺は、君を愛していることは事実だ・・・。君と一緒なら死なないということは対価にならないだろう・・・」


「そっ、そうですね・・・」


美人さんは、恥ずかしいセリフに赤面している。


もう少しだ!


「俺は、本当は能力なんて要らないんだ! 本当は・・・本当は君の隣に永遠に付き添いたかったからなんだ・・・!!」


「えっ・・・!?」


「こういう対価にしないと俺は君の隣に・・・君を愛し続けることが出来ない・・・俺は君の隣に居たいんだ・・・俺が欲しいのは君なんだ!!」


「なっ! なにを恥ずかしいことを・・・!!」


「必ず転生しなければいけないんだろう? ここから・・・君と離れ離れになってしまうんだろう? ここまで大きな対価を払えば、君と大きな契約を結べれば、君を繋ぎとめていられる・・・今度また死んだら君に会いたい・・・また触れ合いたい・・」


泣きながら強く、美人さんを抱きしめる。


「だったら、あそこまで大きな契約は要望は必要ないんじゃないですか!!」


美人さんは、泣きながら抱きしめる俺を突き放し、見上げながら怒鳴りつけた。


だが表情はどこか嬉しそうで、目に涙を薄っすらと浮かべている。


よしっ畳み込むぞ!


「不安なんだ・・・君が・・・君とまた会えるのか不安なんだよ・・・」


再び泣き落とし、美人さんの胸に顔を埋める。


欲情するな! 欲情するな! 俺っ!


俺はしばらく胸から動かずに、感触をあじわ・・・美人さんに慰めてもらった。


「わかりました・・・」


美人さんが口を開いた。


「へっ?」


俺は意外そうに・・・信じられないと言った意味を含ませて声を出す。


「私の負けです・・・あなたの要望を全てのみましょう」


「いいのか?」


「はい」


やったーーーー!!! 作戦! せ! い! こ! うっ!!


内心飛び跳ねながら喜ぶ!


やった! 最強チートゲットだぜっ!!




おっと・・・平常心、平常心。


まだ終わりじゃないんだ油断するな!


「いまから要望は全て叶えます。動かないでくださいね」


美人さんがそう言った後、キスをしてきたっ!!


しかも、これはただのキスじゃない!


俺の体に大きな力が入ってきたのを感じるからだ。


長い間・・・もしかして一瞬かもしれないが、キスという力の受け渡しが終わり、美人さんが唇を離した。


「ありがとう」


自然と感謝の言葉がでた。


「うう~・・・そんなに素直に言われると恥ずかしいですね・・・」


力の受け渡しなどの効果などはないが、今度は俺のほうから軽くキスをした。


「転生後の人生は全てあなたのものです。あなたは、次の世界で人生を全うし、あなたは恋人や妻を見つけるでしょう・・・」


「・・・」


美人さんは少し悲しそうに真剣に話し出した。


「ですが、覚えて置いてください・・・今度、死んでしまったら、あなたは私の夫です。それに、契約によりあなたは今度は死ぬことが出来なくなります。あなたが、死にたいと思っても・・・自殺しようとしても死ぬことはありません・・・」


「ああ、分かっている。今度ここに来る時は、死んだときだ」


「あなたは、永遠の時間を私と過ごすことになるでしょう」


「ああ。分かっている」


「永遠の時間は、人間にとっての拷問なのでしょう・・・? 本当によかったのですか・・・?」


「ああ。拷問を受けることになろうとも、君と一緒になれるならかまわないさ」


もう一度キスをして真剣さをアピールする。


「それでは・・・今から転生させます・・・」


美人さんが立ち上がり、俺の頭に手をかざす・・・美人さんっ裸で立ち上がるから丸み・・・。


美人さんの体に見とれていたら、美人さんの手から光があふれ出してきた。


「では・・・またお会いしましょう」


視界が光に覆われる中、不思議と美人さんの笑顔だけはしっかり見ることが出来た。


「ああ。また会おう」


光が完全に俺を覆った! ふっふっふ・・・作戦成功!!


やったぜ! チートだよ! チート! 最強能力取得!!


しかも、今度死んだらまた美人さんとの愛欲にまみれた生活が待っているという最高の人生!!


頭が弱い美人の神でよかったぜ!!


今度の世界を充分に楽しんだ後また可愛がってやるとしよう!


さあ! 早く次の世界へ連れて行ってくれ!!



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