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王楽記―おうがくきー  作者: 上平英
幼少期
18/21

第17話 旅立ちは決定事項だけど最後に幸運が・・・

話が動いていきます!

父上が溜めに溜めていった言葉は、俺の心に衝撃を与えるものだった・・・。


「城を出る・・・」


「ああ、そうだ。この城から外の世界に飛び出さないか?」


父上が机から立ち上がり格好つけながら後の大きな窓を指差した。


・・・どうしよう? マジで殴りたい。


・・・・。


・・・・・・。


・・・・・・・・。


落ち着くんだ・・・感情的になるな! うまく立ちまわるんだ! なんとか城から出なくてよくなるようにするんだ!


「父上・・・? 何で突然そんなことを?」


「それはな・・・この方々がお前のことを鍛えたいと言ってきたんだ」


はぁ!? 何だよそれ! 俺がこいつらに対していいところなんて見せたか!? 


俺はボロ負けしただけだぞ!?


それに、何で鍛えるためだけに城から出る必要があるんだよ!?


城出る必要ねえじゃん!


「父上、それこそ意味が分かりません。私はその者に手も足も出ずに負けたんですよ?」


城を出ることについては、まだ指摘しない。


「実はこの方々が、お前には封印された大きな力があると言ったんだ」


―――――――っ!! 封印に気づかれた!?


「その力は、あまりに強大でコントロールが難しい・・・もし、封印が解けてしまったら、今のお前では、力に耐え切れずに暴走させてしまうだろう・・・だから・・・だからこの方々の下で力の制御を学んで欲しいんだ」


父上の顔が暗い表情になった。


やはり、息子と離れることが嫌なんだろう。


ていうか、この不審者を城に置いておけばいいだけじゃん?


何でしないんだ?


「この方々は熟練の冒険者で、多くの国を周っている。お前の封印された力を制御する術がきっと見つかるはずだ・・・」


えーと・・・他国を周って、俺が隠すために封印した力の制御を学んでこいと?


そんなもん最初から制御出来てるし、封印施したのも自分・・・・・とは、言えないな・・・。


「お前の中で眠っている力を完全に制御できれば、お前は魔王を倒す勇者になれるかもしれないんだぞ?」


魔王ねぇ・・・この世界に数百年前に現れた魔物をべる王。


その魔王が全人類相手に戦争していることで、人間同士での戦争が起こらないから俺は感謝してんだけどなーー。


ていうか、魔王が存在するなんてマジでファンタジー。


「それにお前は、幼い頃からみんなを守る勇者になりたいと言っていただろう?」


あーーはい。確かに言いました・・・5歳ぐらいの時にパーティで女の子の関心を集めるために格好良く言いました・・・。


よく覚えてるなーーー・・・・。


だけど俺の言葉の中身は全然違う意味だということに気づいてない。


俺は、みんなを守りたいんじゃなくて、女性を守りたいんだし、勇者なんかにならずに城でハーレム築きたいから、勇者になって戦争なんかに参加する気はまったくない。


ああ・・・調子にのって言わなきゃよかった・・・・。


「勇者になりたくないのか?」


クソっ! ここで否定したら俺の株が落ちる・・・。


「僕は・・・みんなを守る勇者になりたいです!」


「おおっそうか! さすが私の息子だ!!」


最悪だ! 最悪の展開だ!!


せっかく、城内の女性達を攻略して後は食べられるのを待つだけだったのに!!


ああっクソっ!! やっと・・・やっと肉欲におぼれた日々の幕が開けるハズだったのに・・・。


なんでこんな不審者なんかと旅をしないといけないんだ!!








「父上・・・それでこの方々は何者なのですか?」


俺に封印された力があることを見抜いたり、一国の・・・第3子といっても王子をまかせられるほどの実力を持っているんだろうから、強いことは分かる・・・。


「ああ、この方々か? この方々はギルド最強のランク・・・SSランク認定されたパーティで今日は、騎士達の訓練のために呼んでいたんだ」


ギルドランクについては、まだ教えてもらってないから分からないけど、こいつらがかなり強いことは分かった。


「ギルド最強・・・!」


一応、驚いたほうがいいよな。


城を出て行くことには、仕方が無いから諦めるけど・・・・まあ、ずっとじゃないから、すぐに戻ってくればいいからね・・・。


でも、こいつらがムサイ男だったら、城から出てすぐに姿をくらませてやる!


俺が、パーティを組むとしたら美女しか選択肢はないんだよ!


誰が、ムサイ男と旅をするかっての!!


男と旅しても、お楽しみイベントなんて発生しねぇし、俺の精神が病んでしまう。


「あのっ! よっよろしくお願いします・・・!!」


仕方ないから、ビクビクしながら手を差し出し握手を求めようとする。


「すまないが、いい加減ローブを脱いでくれないか? 息子が怖がっているようだし」


ナイス父上! ていうか、執務室に呼んだ時点で不審者みたいな格好をやめさせろよ!


それに、俺に怪我させたことも完璧スルーだし!







不審者達が一列に並び俺の方を向いて、ローブを脱ぐ。


ムサイ男ではありませんように・・・ムサイ男ではありませんように・・・ムサイ男ではありませんように・・・!!


・・・。


・・・・・。


・・・・・・・。


・・・・・・・・・。


「あっ? うぇっ?」


ヤバイあまりのことで変な声が出てしまった・・・!!


マジで・・・これは、現実か?


ムサイ男だと思っていたのに・・・不審者の正体は・・・絶世の美女達だった・・・!!!


三人が一列に並んでいて、入り口から見て右から、大きくて白い弓を背負った軽装の美女。そしてその隣、真ん中にはまるで巫女さんのような服装の美女。そして最後に、魔法使いが持つような先端に宝石がついた杖を持った爆乳・・美女っ!? しかも、みなさん20歳ぐらいで若々しい!!


落ち着け・・・落ち着くんだ・・・もう一度、もう一度見るんだ・・・。


まずは白い弓の美女から・・・小麦色の肌で炎のような赤い髪を肩で切りそろえていて、顔立ちは幼く、八重歯が可愛いスレンダー美女。装備は白い弓で、軽装で鎧で露出が多い。


そして、巫女さんは、雪のような白い肌に闇のような黒髪を腰下まで伸ばし根元あたりで一本の束に束ねて、顔立ちからクールで厳しそうな印象をうけさせる。体つきは巫女服の下からでは分かりづらいが、平均以上のスタイルを有しているだろう美女。装備は、下は巫女のような紺色こんいろはかまに上は巫女服を半そでにしたものだ。そして腰には、刀がささっていた。


最後の爆乳美女は、雪よりも白い透けるような肌と、腰元まで伸ばしたストレートの茶髪。顔は優しいお姉さんといった感じに柔らかい表情だ。体つきは・・・うん、爆乳・・・爆乳だよ。しかもそれでいて腰が細くて最高のスタイルをしている。装備は、深緑のローブと魔法使いの杖・・・ああっマジで爆乳! ローブなんかでは隠せない!


・・・ん?


爆乳美女を目を凝らして観察してたら、なんか違和感が生まれた?


気になって、目に力を入れると・・・爆乳美女の髪の色が若葉のような緑色に、耳は細長く尖った!?


・・・・コレは!? ・・・・コレはまさかっ!!


エルフ・・・・?


しかも・・・爆乳エルフ・・・!!?







うん・・・・夢じゃない・・・これは夢なんかじゃないっ!!


俺は・・・俺はなんて幸運なんだ!!


まさか・・・まさか、ここまで個性豊かな美女達と旅に出れるなんて!


ムサイ男との地獄の対面を覚悟していた俺に天女が現れた!!


一気に旅が楽しみになった!


城の女達は、完全に俺のとりこだから4,5年ぐらい会わなくても平気だろうし、会えない時間は俺への思いをつのられるだろう。


それに、理由が封印された力の制御としっかりしているから、堂々と旅出れるし、「君達を守るために行くんだ」とでも言えば、俺以外の男に興味も持たないだろう。


よっしゃ!


美女パーティに加わりますか!


完璧に俺にれさせてやる・・・。


あっ・・・・他国を周るときに美人に会ったらしっかり、ツバつけとこーとっ!








「どうかされましたか?」


おっと、真ん中にいた巫女さんが、握手に答えようと手をのばしていた。


「いえっ! なんというか・・・美しいですねっ」


慌てて握手を行う。白魚のように細くて柔らかい手だ。


あと、さり気なく褒めることを忘れない。


「えっ、いえっそんなことありませんよ!」


うん、クールに見えて意外と純情のようだ。それとも、褒められなれてない?


「はっはっはっ、トールはあなた方が美女なので驚いているみたいだな」


父上が大声で雰囲気をぶち壊す。


口説いているのに邪魔すんなよな!!


そういや、あの不審者ローブにかかっていたんだな。


普通のローブでは、爆乳エルフの隠せないからね!


ん? そういや俺と戦ったのは武器からして剣士タイプの巫女さんだけど、武器は刀じゃなかったよな?


きっと、城の訓練用の剣を使っていたんだろうな。


それにしてもヤバかった・・・。


俺がどうでもいいと思っていた不審者は、まさかの美女だったとは・・・今度から姿が分からない者は、きちんと確認することにするか!


再び6/23日 誤字直しました。



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