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栗鼠と狐と狼の物語  作者: Neight
序章 ~過去~
4/9

3.出発

遅くなりましたlllorz

…ギリギリ…なのか…?

少々短いです><;;


最後に、リィアとその兄のウィルの絵を描いたので載せてみましたが、微妙なので飛ばして下さって良いです(笑)


それでも良いのでしたら生暖かい眼差しで…


アルティとクィルもそのうち描くかも…しれません。

ローゼンブルグ国内にあるアデューレ山脈は豊富な資源に恵まれている。


特に良く取れる魔晶石の一種でもあるアデュライトは、丈夫で強度があり、魔晶石でもある為近くにあると魔力が回復しやすい効果もある。


光によって乳白色や淡い青色、時には七色に輝くアデュライトは美術的価値が非常に高く、硬度も上がる為、非常に高価である。


そんな魔晶石を惜しみなく使い、職人によって細部に至るまで細かな装飾が施された城は既に1000年が過ぎようとしているのにも関わらず、特殊な方法でしか削れない為、傷一つ無く当時と全く変わらない美しさのままだった。


その見た目から月虹城と呼ばれるようになった城は昇りはじめた暁の光を反射して淡く煌々輝いている。


城の前には同じ魔晶石によってできている、幅が100メートルあろうかという巨大な橋の上、馬車が用意されていた。


馬車なのだが、車輪ではなく橇が付けられていた。


橇といっても滑るのが目的ではないのは一目見ればわかるような形状の物がである。


アルティレオはその馬車に必要になるであろう用品類を積み込み、隅2箇所に皮の細長い紐状のものを取り付けた。


暫くして、一通り用意を終えると地面に緑色のチョークで魔法陣を刻み込む。


細かく正確に書き終えると、腰に提げてあった細身の剣を抜き、魔方陣に触れた。


呪文を唱えると、魔方陣が淡く光り出し、何か(・・)が現れた。



「この間の傷は癒えた?」


『完治した』



それ(・・)尻尾(・・)を軽く揺らした。


純白の引き締まった体躯、翡翠の様な瞳。


目と同色の額の角…アルティレオはユニコーンを召喚したのである。


生物や物を召喚する事自体は比較的容易ではあるのだが、神獣を召喚するには契約をしておかなければならない。


この国の守護神でもあるユニコーンは、アデューレ山脈にある神殿に住んでいるのだが、アルティレオがたまに此方に喚ぶのを条件に契約をした。


ユニコーンは自ら引き篭もっている訳ではなく、召喚を介してしか神殿から出ることができない。


しかし神殿への道のりは険しく、たどり着いたのは昔も含めアルティレオが2人目のようで、1人目は既に亡くなっているらしく、喚ばれなくなってから数百年が経っていたらしい。


ふと、遠くからこちらに向かって来る足音がし、見慣れた魔力にアルティレオは顔を上げた。



「おはようございます。 姫様とクィル。 …と何で殿下が此処に…?」



今回湖に行くのは三人だったはずだ。


何処から聞きつけたかわからないが、リィアレースと同じ紫色の眼と淡い金髪の少年…殿下こと、ウィリアム・フェア・ローゼンブルグがリィアレースと手を繋いでいた。


その後ろをクィルレンスが苦笑しながらついてきている。



「まぁ、そうなんだけど…僕も久しぶりに行きたいんだよね、湖」



ふわっと微笑むとリィアレースの頭にポンッと手を置いた。


要するに、妹が心配らしい。



「了解です」



馬車は少しばかり空間魔法を使用している為人数が増えた所で問題は無く、了承の返事を返した。



「わぁ…久しぶりだね、ユニちゃん」



リィアレースが先程喚びだしたユニコーンが居る事に気がつき、するりとウィリアムの手を離すと首に抱き着いた。



『リィア…苦しい…』



リィアレースは小柄な体躯とは裏腹に余り知られてはいないが馬鹿力な為、ユニコーンに抱き着いたは良いが無意識できつく首を絞めている様で戦場でも何が有っても表情を変えないのにもかかわらず苦痛で表情を歪めていた。



リィアレースは言われてから慌てて離れると心配そうにユニコーンを見上げた。



「悪かったね、ユニ。 大丈夫かい?」


『なんとか…』



ウィリアムが苦笑し、リィアレースの腕の跡が付いた首に手を当て、傷を癒した。



「良いかい? リィア、君は感情が高ぶるとつい力加減が出来無くなるのだから気をつけなさい」


「はい…ごめんなさい…お兄様、ユニ」



悲しそうな表情をしながらぺこりと頭を下げた。



「リィア、君は良い子だ。 僕の可愛い妹…」



ウィリアムはリィアレースを抱きしめた。



「…ごほん、…そろそろ行きましょう。 早く出発しないと陛下が血相を変えて追いかけてきますよ? 主に姫様目当てで」


「ソレは困るね…これ以上父上にリィアが汚染されたらいやだし…」



当人以外は微妙な空気が流れるような空間を壊しておく。


早めに壊さないといつまで続くかわからない。


“陛下”と聞いて何を想像したのか嫌そうな顔をしてウィリアムは名残惜しそうに腕を放すと、先に中に入り、リィアレースの方に向き直って手を差し出した。



「ユニ、湖までお願いしても良いですか?」


『ああ、承知した』



クィルが乗り込んだのを見て、ユニコーンに頼む。


了承の返事を聞き、アルティレオは馬車に乗り込んだ。

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