いや誰
「まあ、後々覚えればいいじゃん」と、煌乃が苦笑する。
「さて。次、行く。次が、一番自信作」
と、サエラが少ない語彙にその自信を滲ませながら言う。
「そだね」と参連が賛同する。
そして、次の目的地に向かいながら
「てかさ、なんでこの機械達って、こんな人目につかない森に置いてあるの?」と伊家山が問う。
「、、、数年前から始まった、不都合共同体による技術破壊に備えて、よ」
サエラが暗い声で呟く。
「サエラの作った魔学技術は凄いのに、、」と、煌乃が残念そうに言う。
「あ、ねぇ、通り名って、付けてみたくない?」と、麻津浦が、雰囲気を変えようと言う。
「あ、私つけれるけど。みんな、何がいい?」と煌乃も乗ってくる。
「え?」冗談のつもりで言った麻津浦は固まる。
「マジ!?、、じゃあ、伝説の魔道士がいい!」と要望を嬉々として伝える伊家山。
「バカ丸出しじゃん、、私は、司書、がいいかな」と参連。
「じゃあ俺勇者!」と早生井。
「、、、、非凡市民Mで」と散々迷った挙句、意味がわからない通り名にする麻津浦。
「歩く災害がいい!」と央時田。
「、、あー、それ、田中が言ってたやつだろ」と早生井。
「そ。かっこいいでしょ」と央時田は満更でもない様子。
「いやそれ俺じゃないって。中上だろ?」と、声。
「あー、そうだった、か、も、ん?」と央時田は遅すぎる違和感を覚える。
いち早く行動に移したのは煌乃だった。
「スゥ・ドラファイア・ニーチェ!」煌乃の魔法が放たれる。
それは、大きな、幻想的とも言える陽の光線だった。そう形容しても足りないほどに美しく、恐ろしい魔法にその場の全員は呆気に取られた。
ただ一人を除いて。
「え、最上級魔法とかダル。萎えるんですけど」
これほどまでに荘厳な魔法を前に、そう言ってのける少年がいた。
彼の背中に、一つの、ただ綺麗な、少し燻んだ灰色の、羽が生えた。
「残音残響」
その言葉を少年が発すると、羽が一瞬だけ白くなった。
そして、その光が消えた時、もう煌乃の魔法は消えていた。
「「「「、、、は?」」」」この状況が理解できない早生井達。
「お久しぶりー!」そして、そんな4人にひらひらと手を振りながら笑いかける少年。
何か状況を把握して、分かった上で唖然としている者二名。
「え、誰?」あまりにも場違いな、しかし皆の気持ちを汲んだ質問をするKYが一人。
「俺だよオレオレ。覚えてない?」と少年。
「え、何、詐欺の人?」と、ようやく戻ってきた参連が突っ込む。
「違うって。俺、田中だよ。田中則武。覚えてない?」
「ああ!田中か!」と伊家山が叫ぶ。
「そ。覚えててくれててありがとねー。それはいいとして、今、機械行ったら死ぬよ?あ、あと、央時田に一言だけ。名前は、凪沙と、止乃にしなよ。それじゃ!」
そう言って身を翻す背中を煌乃が呼び止める。
「待って!貴方、世の雑音の〈残響〉の隊長、ノリタケ・タナカ、よね?どうして私たちにそんなことを?」
くるりと振り向いて言う
「同郷のよしみってやつ?武器あげたのも俺だし」
そう言って、もう一つの黒い羽に潜っていってしまった。
「なんなの?」
そう、サエラが呟いた。
超かぐや姫!って面白いよね




