細胞確変
side早生井
「どうしたんだ、おっちゃん」と伊家山が声を掛ける。
しかしおっちゃんはそんな伊家山をみつめているだけだ。
やがておっちゃんが煌乃とサエラになにごとかを耳打ちする。
それを聞いた煌乃とサエラが少し驚いた表情を見せる。
「みんな、ちょっとこっちに来て。後、トミルは人払いして」と煌乃が言う。
おっちゃんの名前はトミルというらしい。いらない知識だなぁと俺は思った。
そうして人がいなくなった店内で、煌乃が話し始める。
とてもとても長く、わかりにくかったため俺がまとめる。
⒈俺らはイレギュラーだ。
⒉央時伝の体質がおかしい。
⒊俺らの二つ名がおかしい。
こんなやつが最近多い。
etc
だ。
「あー、前に言ってたやつか」と央時伝が独りごちる。
サエラが口を開く。
「それは後で考える。、、私の最新設備、見せる」
その声には、自信が滲み出ていた。
興味津々についていく早生井たちを煌乃が追いかける。
「ありがとうね、トミル!、、、ところで、貴方たちって、この世界の事何か知ってる?」
「いや、知らない」と麻津浦が即答。
ため息をつきながらも、常識を教えてくれた。
「この星は、「ノアトス」というの。
この星では、MP(魔素量)という特殊な数値がある。
MPが切れると魔法が常人は使えないの。
そして、この星は、バリオ・エントラルという、、」
「「「「バリオ!?」」」」
ゲームをやっていない麻津浦以外全員の声が重なる。
煌乃が不思議そうに首を傾げる。
「なんで知ってるの?」
「知ってるも何も、神ゲーで出てくるヒーローの名前だよ!、、、、待てよ。それだったら何故麻津浦はここに?」
早生井の問いに答えが出る前に、目的地に着く。
「じゃーん。ここは、私が作った、細胞確変装置だよ」とサエラが珍しく(?)勢いよく喋る。
「この紙に自分がなりたい外見や特性を書いてね。描き終わった人からこの中に紙持って入って。流石にMPには干渉できないから、そういうのは書かないでね」
すぐに描き終わった央時伝が行く。
数分後、央時伝は何も変わっていないかのような姿で出てきた。
その後、伊家山、参連、麻津浦の順番で行く。
みんな変わった感じは見受けられない。
そして最後に俺が行く。
ちなみに俺が書いたのは、攻撃力上昇、感覚敏感だ。
紙を持ったまま装置の中に入る。
すると、アームが出てきて紙を回収する。
その後、強烈な麻酔をかけられた、らしい。
あとでサエラに聞いた話だからだ。
そして目が覚めると、確かに力がみなぎっているような気がする。
みんな終わったため、どんな体になったかの報告会をする。
参連が、地獄耳と、情報整理能力向上、語彙力向上。参連らしいな、と思う。
麻津浦が、防御力と耐久性の上昇。防御に振りすぎだろ、心の中で突っ込む。
伊家山が最強化。子供だな、と思う。
央時伝が、分裂化、全種族に身体を変えられる能力、無性化。
一番よくわからない。
「さあ、つぎいこうか」とサエラが歩き出す。




