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episode:7

ーーーーー帰宅後ーーーーー



「ママ〜ただいま〜!」


「あらおかえり…今からママちょっとお買い物行ってくるからお留守番お願いしても良い?おやつのショートケーキは冷蔵庫の中にあるから食べてね。」

「うん…わかった!行ってらっしゃい。」


ママが出ていったあと私は冷蔵庫の中からケーキを取り出しソファーに座りテレビをつけた。その間も私はある人のことを考えていた…。


そう三影先輩のことだ。


(あ〜三影先輩かっこよかったな〜…推せるわぁ〜!!私ってショタ好きなのかな…でも成長しても美しいんだろうな〜…。想像しただけでも推せるわ〜!!!!!!!)


「三影先輩ってゲームで見たことないし…私と同じくモブだよねぇ〜…。ってことは〜攻略対象と違ってぐいぐい関わっていいよね??えへへ〜…ラッキー!あっ…そうだ…三影先輩専用のノート作ろうっと!」



私、新島紗綾は前世で超がつくほどのオタクであったためオタ活はガチでやっていた。


前世では乙女ゲームのキャラを中心に推しており、コラボカフェに通ったりグッズを買い集めていた。オタ活の中でも力を入れていたのが推しについて自分なりの解剖ノートを作ることであり、誕生日や血液型、好きな物やその日の出来事・写真などをまとめていた。

最推しに関してはノートが5冊を超えている。

悪く言えばストーカーである。

私は早速使っていないノートを引き出しから取り、今日雫から聞いた情報をまとめた。


「えっと〜…確か…



名前:三影夜兎(みかげやと)

年齢:8歳(私立紅乱学院の小学2年生)

誕生日:4月7日

種族:悪の人間

趣味:???

好きな物:???

嫌いな物:???


〜小学1年生〜

武術大会では…

剣術:2位 武術:2位 射撃術:1位

回避能力:1位 マラソン:1位

*選択種目では…

障害物競走:1位

全学年混合リレー:1位 =総合の成績で生徒会長になった


神事祭では…

4つの加護を授かっている

【獣神アルポリウスの加護】:触れた動物の心が読めるようになり、獣から好かれやすくなる。

【戦女神セレナの加護】:武術などの習得が上昇し、危機回避能力が上昇する。

【死神シアロンの加護】:触れたものを腐食させることができ、言霊が使えるようになる。

【知恵神フィナンテの加護】:古代文字を読むことができ、勉強の習得率が上昇する。


芸術祭では…

同じクラスの箕口光(みのぐちひかる)先輩とペアを組み、『天罰』という作品を作り最優秀賞を受賞している。

小学生は仮面舞踏会の参加は不可能なので参加していない。


校外学習では…

沖縄に行き…近くのショッピングモールで強盗犯を取り押さえたらしい。そのため市から感謝状をもらったらしい。



って感じかな〜。趣味とかは知らないらしいから直接聞かないとな〜…。」


書き終わったあとに見返すと三影先輩がいかに天才かを知ることができた。武術大会では圧倒的な成績で生徒会長になってるし、神事祭では加護を4つも貰っている。



正直言って化け物だ。


「攻略対象の中でトップである雪音でも確か小1で2つしかもらってなかったよね。そう考えると4つもらった三影先輩ってやばいやつじゃん…。えぐい…モブがもらうステータスじゃなくて草(笑)。でも推せるわ…イケメンな上に最強って…ラッキー!しかも今年は攻略対象たちがいるから生徒会に入れないし…同担のオタクは少ないかも?もしかするとトップオタクになれるかも〜!!」


そんなことを考えながらその日の残りを過ごした。



ーーーーー2週間後ーーーーー



「紗綾ちゃ〜ん!おはよう!今日から武術大会に向けて体育の時間で練習だね!」

「あっ、雫おはよう〜!そっか…今日からか〜ちょっと憂鬱…。」

「本当に運動が嫌いなんだね…(笑)」

「だって上手くできないもん…ま〜頑張るけどさ…。」

「支えるから一緒に頑張ろう!ほらっ!武術大会では全学年が集まるから三影先輩に見てもらえるチャンスだよ!頑張ろ!」

「確かにっ!三影先輩にかっこ悪いとこ見られたくないし頑張る!!」


(体育での練習も三影先輩のためよ!頑張れ、新島紗綾!!)


ーーーーー体育の時間ーーーーー



「はぁ…!はぁっ!…あれっ?!?玉入れってこんなに疲れたっけ???一個も入らないんだけど…?!」


「紗綾ちゃん頑張って〜!」

「新島さん頑張ってください…。」

「ガンバ〜!」

「……頑張って…。(笑)」


後ろからは雫や瑠夏、大雅、雪音が応援してくれている。だが残念ながら…私には体力というものがクソほどなかった。


「無理っ…届かない…はぁ…はぁ…死んじゃう…一旦タイム…。」




「おい!!新島紗綾!!」

「ん?」

「さっきから見てたけど、そんな適当に投げても玉はかごには入らないぞ!飛ぶんじゃなくて、手首を使って投げるんだよ!そのほうが命中率が上がる!」


そう私に言ったのは西門圭太だった。


「えっと…西門くんだよね…?アドバイスありがとう…。でもそう言われても…出来ないっていうか…難しいっていうか…玉入れのコツなんか考えたことなかったし…。」



「チープ!!!」



「へ…??」


「何事も全力で行くんだよ!そんな甘い考えじゃ優勝は狙えないぞ!」



(…………なんだコイツ…うぜぇ〜…。熱血すぎだろ…さすが熱血キャラ…。私こいつ無理だわ…。)



「えっと…ごめん…体力なくて…これ以上は…ちょっと無理かな〜(笑)。」

「ん〜女子って全員弱いものなのか…?」

「へ…?いや…弱い女子ばっかりじゃないと思うけど…私は弱いかな〜…。」

「そうか…。」



「ちょっと!!!!紗綾ちゃんに近づくな!!」



西門くんと話していたら雫がものすごい勢いでこっちに来た。その後ろには雪音たちもいた。


「雫?!」

「おい!お前何?なんで紗綾ちゃんに話しかけてるわけ?あ”?」

「ちょっと雫!喧嘩腰で話すのやめてっ!(焦)」


「いや…俺はただアドバイスをしてやっただけでっ!」

「てめぇ〜のクソ暑苦しいアドバイスなんていらねぇ〜よ!!失せろ!」


「そうですよ…あなた…熱血すぎて嫌いなんですよ。」

「ちょっと瑠夏までやめてよっ!」


そう揉めていると反対側から善のみんなもこちらに来た。


「何揉めてるんだよ!おい圭太!何があった?」

「春舞…俺は善意で新島紗綾にアドバイスをしただけなのに…このチビが喧嘩を売ってきたんだよ!」


「誰がチビじゃこ”ら”ぁ!!ていうか〜!紗綾ちゃんの名前をお前ごときがフルネームで呼ぶなあ”!!!」

「やめてっ!お願いっ!雫落ち着いて!」

「おい!前々から思ってたけどお前口悪すぎるんじゃねぇーの?その口直したほうが良いぞ!」


「はっ…初日に紗綾ちゃんにブスって言ったやつに言われたないわ”!」

「確かに〜僕も聞いてたよ〜あんたがブスって言ってたところぉ〜。」

「大雅まで話に乗っからないで!!お願いだから!」



私がどんなに止めようとしてもみんなは喧嘩を続けた。



(やばい…このままじゃ練習どころじゃなくて戦争が起こっちゃうよぉ〜(泣)助けてぇ〜!)

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