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episode:5

ーーーーーお昼休みーーーーー


「紗綾ちゃん!一緒にお昼ごはん食べよ〜!」


そう言って雫が抱きついてきた。その後ろには悪達が控えていた。


「雫…女性に抱き付くのはやめなさい!」

「そうだよ…親しき中にも礼儀ありだよ?」

「うげ〜大雅ちん難しい言葉使わないでよ…。」


(え…なんでこんな勢揃いしてるの…????)


「えっと…雫…」


私が困惑していると後ろに控えていた雪音が口を開いた。


「紗綾さん…。新島さんのこと紗綾さんって呼んでいい?」


そう言って私に近づいてきた。


(?!?!??近っ!?!??)


「えっ…えっと〜…た…高橋くんだよね…?」

「うん…僕は高橋雪音…これからなにもなければだけど12年間よろしくね…?」


(逆になにか起こるの…???怖っ…!!)


「あ…えっと…うん!よろしくねっ…!私のことは紗綾でいいよ!えっと…雪音くん…。」


「…雪音でいいよ…仲良くやっていこうね…。」


(やばい…怖すぎる…顔は天下一品なのに…サイコパスっていう設定なんだよね…こわ〜…。)


「あ〜!雪音くん!紗綾ちゃんのこと横取りしないでよ!!」

「ちょっと話しただけだよ…。」

「ねっ!紗綾ちゃん一緒に食べよ!」

「うん…いいよ!」



「……。」



(…ん?食べ始めたはいいものの誰も一言も喋らないじゃん…なんで??気まず…仕方なく私が話題をふってあげるよ…。)


「えっと…雫ってさ…絵を描くのが好きなんだよね?どんな絵を描いてるの?」

「ん?…ん〜ちょっとまってねぇ〜。」


そう言って雫は自分の机の引き出しからスケッチブックを取り出した。


「はい!自由に見ていいよぉ〜!」

「ありがとう!」


(どれどれ〜第二のピカソの実力は……?!??!??!!?)



「え?!??!?!」


スケッチブックを開いてみると、まるでゴッホやダヴィンチが描いたような絵がでてきた。


「えへへっ…上手く描けてると思うんだけど…まだまだ勉強中〜!でも見てっ…こことか!輪郭の影とかうまく描けてると思うんだ〜どう?どう??」

「……これ…本当に雫が描いたの…?」

「うん…そうだけど…?」


(攻略対象だからなのかな…?子供の頃から天才なんだね…努力型の天才じゃなくて才能の天才なのね…っ〜〜〜!!!羨ましいぞっ!!!)


「すごいよ!すごくきれい!!人の体のバランスとかも完璧だし、写真みたいだよ!!」

「え〜?本当〜?(笑)」

「うん!!すごいよ雫!ねえ…みんなも見てみてよ!」


私は立ち上がってスケッチブックをみんなに見せた。だが予想してた反応とはちょっと違う反応が返ってきた。


「しずちゃんの絵は上手だよね〜…。」

「確かに有名な偉人並みの画力はあると思いますよ…。」



(え…?反応うっす…小学一年生で偉人並みの画力があるんだよ?もうちょっと驚けよ…。)



「天野くんの絵って上手いよね…でもなんでそんなに驚いてるの?」


そうキョトンとした表情で雪音が聞いてきた。


「え…だって…すごくない?この画力…。あれ…逆にみんな驚かないの…?」


(この世界ではこのレベルが普通なのかな…??ほげ…?)



「ん?驚かないに決まってるでしょう?新島さんってもしかしてテレビを見ない人ですか?」

「しずちゃんの絵って色々な企業のCMで見れるし…ニュースにも天才小学生として紹介されてるじゃん?だからそんな見ても…驚かないっていうか〜?」

「紗綾ちゃんって〜ニュース見ないんだね〜?」


そう言ってみんな私の方に目線を向けた。



(……?????ニュースに出てる…?エグい…やばすぎる…。ていうか…小学一年生ってニュース見るの…?教育番組とかじゃなくて…?)


「えっと〜…あはは…(笑)…私…ニュースより…お菓子?…そう!お菓子作り!の方に夢中になってて(笑)だからテレビとかはあまり見ないの…あはは…。」


(私のほうが精神的には年上のはずなのに…回答が子供だわ〜(泣)なにがお菓子作りだよ…もうちょっと他にあったのに…………………何があるんだろう…(泣))


「紗綾ちゃんって〜かわいいよね〜!」

「え?!?な…なんで?!」

「だって〜瑠夏ち〜や大雅ちんはさぁ…口を開けばいっつも株価の話とか…時事問題しか言わないからさ〜…つまんない…でも紗綾ちゃんはお菓子作りが趣味なんでしょ?かわいいよ〜!!」



「あ…あはは…ありがとう…!」


(考えすぎなのかもだけど…なんか子供扱いされてるような気がする…。一応同い年のはずなんだけどな〜…小学一年生って株価の話とかするんだ〜…ふーん…前世で高校生だった私ですら株価のことは理解できなかったのに…みんな…賢すぎるね…良いと思う…ね…。)




その後みんな、また黙々と食べ始めてしまったので私も自分の無知を噛み締めながら黙って食べました。

いと悲しきことかな…。


とほほ…。

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