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ダブり集

今日でお別れ3

作者: 神村 律子

タイトルの「3」は、第三弾の「3」ではなく、「三乗」の「3」です。

 律子はある大手企業のOLである。


 先日、幾人もの女性と交際をしている名うてのプレイボーイの藤崎君に意見しようと声をかけ、


「また付き合って下さい」


と言ってしまい、本当にまた付き合うことになってしまった。


(私はバカだ)


 ようやく自分の性格のいい加減さに気づいた。


 でも、また藤崎君と付き合える事になって嬉しい自分が確実にいる。


(懲りてない……)


 再び反省。これではダメになってしまう。


「おはよう、律子」


 香が声をかけた。


「お、おはよう、香」


 何故かドキッとする。


 律子の勘では、藤崎君の本命は香。


 確かに彼女は美人で仕事もできて、上司の信頼も厚いから、律子とは比較にならない。


 対する真弓は、フェロモン出し捲りで、大人の女性だ。


 昔、幼児体型と揶揄された事もある律子とは違う。


 では、何故藤崎君の本命は香なのかと言うと……。


 根拠はない。只何となくなのだ。


 遊ぶなら、お色気ムンムンの真弓だろう。


 しかし、上昇志向が強い藤崎君は、結婚相手には、多分香を選ぶはず。


 そんな勝手な思い込みから、律子は真弓の力になってあげようと思ったのだ。


「どうしたの、律子?」


 しばらくボンヤリしていたので、香がそれに気づいた。


「ああ、ごめん。考え事してた」


 律子は作り笑いをして応じた。香は訝しそうな目で、


「また何かあったの、彼と?」


「へ?」


 ギクッとする律子。


「別れた彼とヨリを戻せたんでしょ?」


 ああ、そんな事話したっけ。


「別に何でもないよ。ちょっとボンヤリしただけ」


「ならいいんだけど」


 こんな優しい香だから、藤崎君が狙うのも当然だ。


 新入社員の須坂君まで香に気があるという噂だから。


 羨ましい。


 あれ? ふと思う。


 じゃあ、どうして私、また藤崎君と付き合えるようになったの?


 もしかして、私が本命? いや、あり得ない。


 そんな妄想は今すぐシュレッダー行きにしないと。


 視線を感じて顔を上げると、藤崎君が律子を見ていた。


「結婚して下さい」


 思わずそう言いそうになる律子だった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 律子さんはすごく自分に自信がないのに、よくそんなにすぐに告白したりプロポーズしたりできますね。 焦ってるのかな? チャンスを無駄にしたくないのかな? 実は自分で思ってるより、周囲からの評価は…
2011/11/05 15:45 退会済み
管理
[一言] 藤崎君はきっと幼児体系マニアだったんだね。 うんうん、なんとなく分かる気がする (^_^) でも、このシリーズ、累乗でやってくとそのうち天文学的な文字数になっちゃうね。はたして何作までチャ…
[一言] 律子が、藤崎さんと上手くいきますように。 倍々ゲームで、お昼のドラマのようにどろどろな展開を期待します。
2010/03/14 18:26 退会済み
管理
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