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1.マリリン

 マリリンは、スレンダーで引き締まった肉体の女性魔法使いだった。


 高校を卒業すると、すぐに冒険者向けの専門学校に通い、期待の新人となる。


 20歳にして、一人でベンガル虎を追い払ったことがあるほど、魔法を使いこなすことができた。

 また、美しい容姿を持つこともあり、「花のマリリン」と呼ばれ、他の冒険者からも有名であった。


 専門学校のミスコンテストで、ファイナリストに残ったほどである。


 そのマリリンが怪物を倒しに行くことになったので、冒険者ギルドは安心した。彼女なら、一人でも大丈夫だろうと。


 マリリンは短パンのようなスカートをはき、二の腕を出した服装で、地下に下りて行った。

 女性の冒険者がよく着るような服装である。


 そして、地下3階までの魔物を軽々と倒していき、4階に下りた。


 そこで、マリリンは、シロモソと呼ばれる怪物に出会ったのだ。



 ★

 


 シロモソは、まるまると透き通った瞳で、真っ直ぐにマリリンを見つめてきた。


(こんなに可愛らしい怪物を、倒さなければならないなんて)


 実際に、シロモソはまるまると太った白ウサギのような身体で、凶悪にはとても見えなかった。


 あまり痛めつけたくないので、早く決着をつけようと、両手で火の玉を作り出し、怪物に投げつけたのである。


 しかし、怪物がぶるぶるっと肉を震わすと、火が燃え移る前にかき消されてしまった。


 そして、次の瞬間、耳を羽ばたかせ、マリリンの目の前に飛んでくると、まるまるとした拳で、マリリンの腹を殴りつけたのである。


「うっ!」


 たった一撃だった。


 怪物の一撃で、彼女は全身から力が抜け、皮の鎧が砕けたかと思うと、足がガクガクと震え、その場に倒れてしまったのである。


  

 ★



 気がつくと、マリリンは天井から釣り下げられたクサリで、両腕を縛られていた。


 下半身がむき出しにされている。


 そして、背後から白い怪物に腰をつかまれ、尻を突き上げられているのだ。


「あうっ!」


 思わず、悲鳴が出ていた。


 まるまると太ったシロモソは、繰り返し繰り返し突き上げてくる。


「やめて、いやよぅ! あぅっ!」


 しかし、止められることはなかった。やがて、彼女の全身はケイレンし、首を大きく前後に揺らしたかと思うと、気を失ってしまったのである。



 ★



『何か、言い残すことはない?』


 床に倒れたマリリンは、白い怪物から言われた。


 両腕と両足を縛られ、まるまるとした怪物から見下ろされている。


「助けて……助けて……」


 しかし、シロモソという怪物は無情にも『それはできない』と言い放ち、これからキミを食べないといけないと伝えてきた。


 まだ20歳なのに。好きな人もいて、これから結婚する予定だったのに、このような怪物に犯され、食べられてしまうなんて。


 マリリンは自分が惨めになり、泣き出してしまった。


 だが、シロモソにとって、そのようなことは関係なかった。


 マリリンのノドに食らいつき、歯を立てて絶命させると、彼女の肉を食らっていったのである……。


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